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1122(香北)


すっかり忘れてましたよ~;;
1122(いい夫婦)の日!
 

折角1000円だったから相棒氏と映画でも行けばよかった・・・・orz



でも、
1122の日キャンペーンとか、まったくホモカポーには関係ないよね^^^
とかおもう^^^

特に高校生って多感なお年頃だからさ、
なんかイロイロと複雑なんだよ、って、そんな香北。


というか、
もう意味わかんない話でごめんなさい!
わたし爆発して!!
お願いwww




**1122**



『今日はアイスが半額だったんですよ!!』





偶然繁華街であった元生徒会長と副会長にそんな耳寄りな情報を貰い香川と北見は二人行きつけのアイス屋を目指す。


「ちょっと待て、香川」

「ん?」

ふたりでやってきたいきつけのアイス屋。
いつもは高校生が数組たむろするだけの静かな店のはずなのに今日に限って店の前には人、人、人…。
しかも老若男女、そのほとんどが男女の二人連れ。


「何か場違いじゃねえ?」

「そうか?」

いつもと違う雰囲気の店舗に及び腰になる北見をよそに香川はずいずいと列に進んでゆく。
体を寄せ合うように並ぶ男女の姿に来た身は目を伏せたまま香川のあとをついていった。
 



「香川くん、北見くん」


男女の列の最後尾に並ぼうとすると数組前から見知った声。
よく見ると一学年上の熊谷と姫路だった。

「君たちも足立さんに半額って言われたの?」

「あ、まぁ」

「でもよかったね、姫路さん」

「そうだな。花さんは品川と来てたから半額だったが、ウチらは北見と香川がこなかったら半額じゃなかったからな」

「…へ?」

姫路と熊谷が揃ってありがとう、と嬉しそうな顔をした。
北見と香川は不思議そうに顔を見合わせる。

足立と品川がよくて熊谷と姫路がダメな理由。
思いつかなくて2人は唸る。




「ほら、今日って11月22日じゃない」


降参と2人に問えばもう店の入り口についていた。
そこにはデカデカとしたポスター。


【いい夫婦の日記念カップル半額】


「あぁ…」

「カップル半額とか、わたしたちじゃねぇ」

熊谷と姫路がポスターを指差しながら顔を見合わせて苦笑いする。
北見は恥ずかしそうに俯いたままだったが、香川は右手をあごにおいて「ふむ、」と小さく唸った。



「でも自分たちはカッp…」
「かっ、香川っ!!」


つきあっている、とカムアウト仕掛けた香川の口を押さえ真っ赤になりながら北見は大声で叫ぶ。
その声に周りの人間がこちらを向いたので、ますます北見の顔は赤くなり、俯いてしまった。

生徒会のメンバーにすら付き合っているとは公言していないものを、公衆の面前でぺらぺらと話されるのは、北見にとって心臓が止まってしまうほど恥ずかしいことだった。

そんな北見を香川は不審そうに見つめていた。
香川は細かいことは気にしなかったし、どこか「恥ずかしい」という感情が他人とずれているようにかさえした。
何か言いたげな表情で見つめる香川の視線を、北見は黙って受けていた。





半額のアイスを手にして香川と北見は寒空の河川敷に並んでいる。
夏のじりじりと焼けるような暑さなら解けてなくなってしまうほどの距離も、20度にも満たない肌寒いこの季節なら買ったままの姿をアイスクリームは保っていた。

「絶対変に思われたっ、お前のせいだぞ」

「俺は構わん」

「お前が構わなくても、俺が構うんだよ」

人がいたところではいえなかった言葉を、アイスを小さなスプーンですくいながら投げつける。
香川と付き合っている、ことも大事だったが、北見にとって、体面や体裁も酷く重要なことだった。
不良なのに、と自分でも苦笑を漏らすようなことだったが、【保身】というものはクラスの中で浮き続けていた北見にとっては必要不可欠な防具だった。


「カップルなんだから北見と半額になるのは当たり前だろ」


「お前がそうでもまわりはちげーんだよ」

それなのに、横に並んで、大きな口でアイスクリームにかぶりつくこの男は何も考えていないといって良いほどに北見の常識を打ち破ってゆく。
常識がないといってしまえばそれまでなのに、その非常識な香川の常識が北見には酷くまぶしく見えた。

「?」

「カップルかもしれねえけど、【いい夫婦】にはなれねぇんだよ」

「ああ、そんなこと」

「どこがそんなことだ!!」

はてなを浮かべる香川にすねたように語尾を強めて答えを出せば、またあっけらかんとした、拍子抜けな言葉を返す。
北見がずっと気にしていたこの異質な関係を真剣に考えていないような気がして、イライラが募った。
自分だけが気にしているような感覚が、酷く無様で涙が出そうだった。



「俺がどうにかしてやる」


「はひぃ?」

「生徒會長の俺がどうにかしてやる」

「どうにかって……」

涙が今にも零れ落ちそうなほど潤んでいた瞳は、続けられた香川の言葉で瞳の裏に引っ込んだ。
跡形もなく。
それほどにも常識を無視した、とっぴな発言だった。

それなのに酷く絵空事に近い言葉だったのにこいつなら、と思ってしまうのは何故だろう。
そんな疑問とともにアイスクリームを飲み込んだ。

今日だったら「期待してる」なんて、そんなばかげた非常識な言葉も口に出せるような気がした。
でも、やっぱり言えなかった。
言わなかった。

いつか、「やっぱお前ならできる」って何年も先の今日、ふたりで並んでまた半額のアイスが食べれる日が来たら、言ってやろう。
そう思った。

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