一畳ブログ
空知椎音の妄想を書きなぐる場所です。
801的・同人的要素が強いので、注意してください。
この世のあらゆるものとはまったく無関係な唯の妄想です。
苦手な方はゴーバックプリーズ。
画面からは801mm離れて見やがって下さい。**一部に18歳以上の大きなお友達用の閲覧物があります。18歳未満のお友達は見てはいけません**
夏が終わる頃(フラルー)
漸く、更新しようとか思ってひとふん張り。
て、もう秋ですね。。。。
↓つづきから「夏が終わる頃」(フラルー)↓
て、もう秋ですね。。。。
↓つづきから「夏が終わる頃」(フラルー)↓
夏が終わる頃 フラルー
夏に比べて日差しも弱くなってきた。とは言っても、真昼の太陽の熱線はじりじりと未だに肌を焼き。
TVに写るキャスターは昨日よりもだいぶ気温が下がり涼しくなるだろうといっていたが、窓から入る日差しの熱量は、今も蒸すように部屋を暖めていて。
「今日も半袖で構わないだろう」
いつもの黒いTシャツの上に羽織りかけた綿の白い長袖のシャツを玄関脇のハンガーに吊るし、ルートヴィッヒは買い物に出かけた。
同居する兄は、昨日から極東の島国の友人の元に出かけており騒ぐ者のいない家は酷く静かだった。(アレは賑やかというより、五月蝿いのだが・・・)
ため息をついてドアを開ける。庭へと続く階段に敷き詰められた真っ白な大理石に、黄色の太陽の日差しが反射して、ちらちらと視線を惑わせる。
暦は確実に秋へと向かっているというのに夏のような熱を含んだ光線。一昔前はもっと涼しかった気がするのに。
ルートヴィッヒがこの地に身を寄せ兄と暮らし始めたころはもう数世紀以上も前のことで、舗装された道や現代的なビルが立ち並ぶこの街も、100年――いや、半世紀前は細い砂利道が広がる田園風景だった。
(文明化には犠牲が付き物なのだろうか・・・)
懸命に兄と二人で推し進めた工業化は、昔ながらの田園風景を消し、モダンな規律と秩序のあふれる街へと変えた。
車に踏まれ、日々変化する環境に蝕まれながらも、それでもなお咲き誇る路傍の花に目を向け、ルートヴィッヒは懐かしい日々に思いを馳せていた。
「10年前ももっと涼しかったかもな」
歩む道筋が変わらなくとも、周りの風景は10年もたてばすぐに変わってしまう。一歩一歩進む今でさえその数歩前の時間は、すでに過去なのだ。
そんな、哲学的なことを考えて歩いている道程は酷く短く感じられる。
しかし、その心地よいはずの哲学的な思考も、高湿度と気温が高くては不快指数に押し負けてしまい、額にわずかに光る汗を見に入る前に腕でぬぐうが、しっとりとしたその筋肉質な腕では、ただ、その湿り気を広げるだけだった。
「まったく」
露天が賑わう通りでも肌を露出させた人々が通り過ぎ、暦の感覚が曖昧になって現実の気温の中へと融けていく。
その中の、一番奥、細い路地のひとつで、ルートヴィッヒは漸く待ち合わせた人物にたどり着き。
「フランシス、漸く見つけたぞ」
長い髪をひとまとめにして、この気温にはまだ暑いくらいの麻の素朴な長袖のシャツを羽織った男は路地に広げられたカフェのテーブルで、これまたまだこの季節には暑い、ホットコーヒーを啜っていた。
「もっと見つけやすいところにいてくれないだろうか・・・」
「仕方ないでしょ、日向は暑いんだから」
熱いとつぶやくその口で、気温より熱いコーヒーを嗜み、まだ季節には不釣合いのシャツをまとうフランシスに、ルートヴィッヒは、汗にぬれる眉間に深いしわを寄せた。
「だったら、ホットコーヒーも、長袖もやめればいいだろう」
ガチャガチャと椅子を引き、ルートヴィッヒはフランシスの目の前に腰を下ろした。その苛立ちをあらわにした表情に、フランシスはただ苦笑いを浮かべ、ビルに挟まれた小さな空を見上げた。
「でもね、ルーイ。もう空の色はあんなにも秋めいているんだ」
つられて見上げた空は真夏の鮮やかな青ではなく、どこか鉛色を含んだ重くくすみはじめた青色だった。
もう夏は終わりだよ、そうつぶやくフランシスの言葉がコーヒーの湯気に溶けた。
夏に比べて日差しも弱くなってきた。とは言っても、真昼の太陽の熱線はじりじりと未だに肌を焼き。
TVに写るキャスターは昨日よりもだいぶ気温が下がり涼しくなるだろうといっていたが、窓から入る日差しの熱量は、今も蒸すように部屋を暖めていて。
「今日も半袖で構わないだろう」
いつもの黒いTシャツの上に羽織りかけた綿の白い長袖のシャツを玄関脇のハンガーに吊るし、ルートヴィッヒは買い物に出かけた。
同居する兄は、昨日から極東の島国の友人の元に出かけており騒ぐ者のいない家は酷く静かだった。(アレは賑やかというより、五月蝿いのだが・・・)
ため息をついてドアを開ける。庭へと続く階段に敷き詰められた真っ白な大理石に、黄色の太陽の日差しが反射して、ちらちらと視線を惑わせる。
暦は確実に秋へと向かっているというのに夏のような熱を含んだ光線。一昔前はもっと涼しかった気がするのに。
ルートヴィッヒがこの地に身を寄せ兄と暮らし始めたころはもう数世紀以上も前のことで、舗装された道や現代的なビルが立ち並ぶこの街も、100年――いや、半世紀前は細い砂利道が広がる田園風景だった。
(文明化には犠牲が付き物なのだろうか・・・)
懸命に兄と二人で推し進めた工業化は、昔ながらの田園風景を消し、モダンな規律と秩序のあふれる街へと変えた。
車に踏まれ、日々変化する環境に蝕まれながらも、それでもなお咲き誇る路傍の花に目を向け、ルートヴィッヒは懐かしい日々に思いを馳せていた。
「10年前ももっと涼しかったかもな」
歩む道筋が変わらなくとも、周りの風景は10年もたてばすぐに変わってしまう。一歩一歩進む今でさえその数歩前の時間は、すでに過去なのだ。
そんな、哲学的なことを考えて歩いている道程は酷く短く感じられる。
しかし、その心地よいはずの哲学的な思考も、高湿度と気温が高くては不快指数に押し負けてしまい、額にわずかに光る汗を見に入る前に腕でぬぐうが、しっとりとしたその筋肉質な腕では、ただ、その湿り気を広げるだけだった。
「まったく」
露天が賑わう通りでも肌を露出させた人々が通り過ぎ、暦の感覚が曖昧になって現実の気温の中へと融けていく。
その中の、一番奥、細い路地のひとつで、ルートヴィッヒは漸く待ち合わせた人物にたどり着き。
「フランシス、漸く見つけたぞ」
長い髪をひとまとめにして、この気温にはまだ暑いくらいの麻の素朴な長袖のシャツを羽織った男は路地に広げられたカフェのテーブルで、これまたまだこの季節には暑い、ホットコーヒーを啜っていた。
「もっと見つけやすいところにいてくれないだろうか・・・」
「仕方ないでしょ、日向は暑いんだから」
熱いとつぶやくその口で、気温より熱いコーヒーを嗜み、まだ季節には不釣合いのシャツをまとうフランシスに、ルートヴィッヒは、汗にぬれる眉間に深いしわを寄せた。
「だったら、ホットコーヒーも、長袖もやめればいいだろう」
ガチャガチャと椅子を引き、ルートヴィッヒはフランシスの目の前に腰を下ろした。その苛立ちをあらわにした表情に、フランシスはただ苦笑いを浮かべ、ビルに挟まれた小さな空を見上げた。
「でもね、ルーイ。もう空の色はあんなにも秋めいているんだ」
つられて見上げた空は真夏の鮮やかな青ではなく、どこか鉛色を含んだ重くくすみはじめた青色だった。
もう夏は終わりだよ、そうつぶやくフランシスの言葉がコーヒーの湯気に溶けた。
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プロフィール
HN:
そらちしいね
年齢:
124
性別:
女性
誕生日:
1900/04/14
職業:
事務員
趣味:
妄想
自己紹介:
空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。
支部にも同時にUPしています。
(10932のみ支部限定)
現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
アニメ見れてないなあ・・・
お気軽にお声かけください!
リンクは女性向け同人サイト様に限りリンクフリーです。
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