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のみこむ 1(三左)

 






・ω・)<誰か私のために殿のレア武器とってくれ










続きで、左近の片思い。2で義トリオ編、3で佐和山主従編






**のみこむ** 



 
左近が新しく仕えることとなった主人は見目の美しい武将だった。
禄こそはまだ少ないが武芸も政への身の入れ方も素晴らしい。
愛想のなさと言葉の悪さはどうしようもないがそれを差し引いても主として奉じるには充分すぎる人間だった。

はじめは左近が守らねば、支えねばと仕事への情熱を燃やし続けていたのだが最近はどうも自分の様子がおかしかった。
筆を走らせる三成の指、うつむくと見える首筋の白さ。
白い雪のうえに咲いた花のように赤い唇。
どんな遊郭にもない美しい顔立ちに左近の心は吸い寄せられてばかりなのだ。

(左近、若い男に攻められよがるとは貴様もすみなおけないな)

扇子で口許を覆う三成に攻められる妄想ばかりが頭の中に渦巻いていく。

仕えはじめた頃は自分が三成を押し倒す夢を見たこともある。
歳を重ねても男とは仕方のないものだと苦笑いを浮かべ新しい主人にひたすら心のなかで謝罪をしたものだ。
しかし、何度淫らな妄想をしても拭いきれない違和感があった。
三成を押し倒してその美しい顔から漏れるであろうあえぎ声が想像できないのだ。
そこまで求めてはいないと思っていたのだがどうやら上下が逆のようだった。

今日こそは最後までと思い目を閉じれば口端を吊り上げて微笑む三成を見上げる幻想が瞼の裏に映った。
美しい唇が卑猥な言葉を紡いで左近を責める。
あぁ、これだ。
と内なる被虐心を煽られるような妄想は箍が外れたようにどんどんと浮かんでいって結局想像の中の三成の言葉遣いだけでその日は果ててしまった。


主に対して不義である。
と頭の中の警鐘が激しくうちならされるも主従愛を越えてしまった思慕の念は今更拭えぬはずもなく今日もひたすら目で三成を追った。
そして、夜になれば冷俐な瞳を思ってひたすらに自慰に耽った。

(殿に言わないのか、ならば最後まで独り身だぞ)

頭の中で自分自身の形をした鬼が笑う。

(言えるわけが無いでしょう、俺も殿も男だ。それに、俺は小姓のように若くもない。俺に思われたって気持ち悪いだけだ)

何度も現れてはそのたびに期待をするな、と頭の中の鬼を打ち消した。
浮いた噂すらない主にそう容易く思いを告げられるほど左近は若くなかった。

(お慕い申し上げてますよ、殿)

心で告げるなら問題はない。
ひたすらに三成の横顔を眺めひとりその身を慰める日が続く。
終わりのない問答にこがれる気持ちは増していき妄想はどんどんとえげつなさを増すばかりだ。
それでもこの劣情を存分に含んだ気持ちを打ち明けることは左近にはできなかった。
三成が応えてくれることと拒絶されて主従を解かれることと確率は半々なのにそれに賭けられるほどの勇気はない。

(捨てられるのが半分残るなら、今のままで充分ですよ)

ため息をついて窓の桟に頬杖をついて庭を眺めれば主人の姿が見えた。

「お慕い申し上げてますよ」

届かないとわかっているから言える言葉をポツリと漏らし、赤茶けた髪をうっとりと眺めていた。





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年齢:
124
性別:
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誕生日:
1900/04/14
職業:
事務員
趣味:
妄想
自己紹介:
空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

支部にも同時にUPしています。
(10932のみ支部限定)

現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
アニメ見れてないなあ・・・

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