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よ く じ ょ う 1 (理侘)


日曜日に銭湯に言ってきたときに不意に妄想。
25年位前は今よりもっと銭湯とかあったんじゃないかなって。

理一とか剣道部(妄想)だっただろうから、部活帰りにひとっ風呂いきそう!
みたいなwww



割とつづきます。
取り敢えず1は侘助視点。
いちおー、理→←侘みたいな




よ く じ ょ う 1





図書館での自習にも飽き参考書や辞書が詰まった学生鞄を右手に提げると、もう日が傾きオレンジと紺のグラデーションが広がっていた。
秋の日は釣瓶落としとも言うように明るかった日は周囲の山々に溶けてしまった。

「侘助、」

昇降口で靴を履いていると後ろから声を掛けられる。緩慢な動きで振り返ると、藍色の胴着姿の理一が目に入る。

「今帰り?」

「まぁな。お前は?」

「今から着替え」

そうか、と返答する間もなく「すぐ着替えてくるから待ってて」と矢継ぎ早に言われると「先に帰る」そう言い出せるはずもなく風が吹き抜け底冷えするコンクリートの昇降口から動けずにいた。




「お待たせ、」

寒さを忘れ物思いに耽っていれば時間がいつの間にか経っていたようで隣には学生服に着替えた理一が立っていた。いつもは櫛で丁寧にセットされている髪も、汗に濡れ肌にまとわりついていた。

「シャワーぐらい浴びて来いよ」

「侘助を待たせられないだろ」

「お前な…、稽古後で臭いんだよ」

大袈裟に鼻をつまんでしかめ面をしてみせれば、当の本人は不思議そうに自分の腕を嗅いで「そうかな?」と首をかしげる。
確かに剣道独特の汗や汚れのすえた臭気がするが、困ったように笑うこの男のものだと思うとそれも構わないと思ってしまう自分に侘助はさらに眉間の皺を深める。

「帰りに銭湯行こうかな」

「そうしろ、そうしろ」

「じゃあ昔みたいに流しっこしようよ、おじさん」

漸く外履きに履き替えた理一を見て侘助も立ち上がる。


「はぁっ」

「だから、一緒に行こうって話」

理一のしなやかで筋肉が付いた腕が侘助の細い首筋を絡めとる。
いつも猫背で歩く侘助と、しゃんと背筋を伸ばした理一は実際身長差などあってないようなものなのだが、背を丸めている分侘助のほうが頭半分ほど縮んで見える。

「何でお前と」

「いいじゃん、減るもんじゃないし」

体が近づけば汗の匂いの奥に柔らかい理一の体の匂いが侘助の鼻孔を刺激した。
鼓動が早くなり、顔に血が集まるのがわかる。
方を組まれて上から見つめる理一を侘助は見上げていたがその笑顔に耐えられなくなって視線をずらすのだった。
しっかり詰め襟の一番上までボタンをはめていると言うのに、侘助の頭には先ほど胴着から見えた形のいい鎖骨と筋肉しか浮かばない。
この動揺が気付かれる不安と焦燥か体を巡り、密着した理一の体を突き放すように歩き出した。



「煩いっ、行くならさっさと行くぞ」

突き放す声が動揺で裏返る。
今でさえこんなにも緊張しているのに、侘助を守る鎧の制服を脱いでしまったら。胸を打つ鼓動だけは知られたくなくて、銭湯への道を早足で駆けていく。

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1900/04/14
職業:
事務員
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妄想
自己紹介:
空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

支部にも同時にUPしています。
(10932のみ支部限定)

現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
アニメ見れてないなあ・・・

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