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越せない壁(理侘)


ふと思って出た妄想www


理一と侘助41歳だけど、実は侘が3月生まれで学年的には理香さんと一緒の学年だった!
みたいな。



先輩侘です。
どうでしょうwww

昨日くらいからこれがすごい萌えるんだけどwww
理一弟属性!


「呼び捨てやめろよな!」
とか言われて「先輩」とか呼び始めたら、数日後に「やめろよ」とかいわれちゃうんだろうね^^^

ハアハア
自分の知らない侘がいるのがいやな理一。
ハァハァ
理一が年下なのがもどかしい侘ww

いいなあ。





え?
原稿?
すすんでねーよ!
きのうから学年違いの同じ年妄想してたんだよwww


【賛同者求ム】










越えられない壁




「陣内侘助先輩、忘れ物です」

朝の喧噪が続く校舎の扉が開いて、スラリと伸びた体の少年が現れる。
「ちょっとあれ、かっこよくない~っ」「陣内くんの知り合い~」その姿にクラスの女子の黄色い悲鳴が飛んだ。


「あはははっ、聞いた?」

「ちょっとアレなにーっ」

「…うるせーなーっ」

ゲラゲラと笑いをこらえることができず腹を抱えてバンバンと机を鳴らす直美と理香にチッと舌打ちをひとつうつと、ずかずかと机の隙間を縫って入り口へと向かう。


「あ、侘助先輩、弁当忘れただろ?」

「…だぁかぁらな~、お前」

「ほら、弁当」


一学年早く生まれたはずなのに侘助の成長期はまだこないため、理香や直美と並べば横一つ線を引くようになる。
それなのに、一学年下の理一は中学時代からめきめき身長が伸びて従兄弟連中の中では一番の丈があった。
悔しそうに侘助は理一を睨みつけてぎりりと奥歯を噛む。
「先輩」などと思ってもいない言葉を簡単に吐き笑顔を向ける姿に何故かぶるり、一つ身震いをする。


「…お前、ちょっとこいっ」

「…えっ、何?」


腕を引っ張り廊下に出れば背中に「ヤキ入れ~」「侘助怖い~」と女二人の声が刺さった。




「お前っ、何だよいきなり」

「え?だって学校で呼び捨てするなって言うから」


きょとんとする相手に侘助は真っ赤になって上目使いに睨みつける。
威嚇しても鈍感なのか甥っ子はまばたきを数度させて不思議そうに言った。

「だからってな!!」

「えー」

「ほかの呼び方があるだろ」

「おじさん?」

「却下」


確かにか系図的には伯父と甥の関係ではあるが、学校ではいとことして通してあるため、そうおおっぴらに言われてしまうとただでさえ浮いている自分の存在が変な位置に押し上げられてしまうだろう。
冷たい声で短く拒絶の言葉を漏らせば、目の前の長身の少年は、うーんとうなった。
身長は侘び助よりも高いがまだ入学した手の一年生である。新品の学ランの一番上まできっちり閉め、学校で支給された――侘助はもうなくしてしまいつけていない――「陣内理一」と書かれたネームプレートが数ヶ月といえど二人の年の差を物語っていた。


「うーん。呼び捨ても先輩もおじさんもだめかー」

「当たり前だろ」

「じゃあ、直美姉ちゃん邦兄みたいに侘助兄ちゃんとか?」

「~~っ?!…きゃっ、か!!」


理一の提案する呼び名を全て却下した侘助に理一はため息をついた。
侘助はといえば、向けられた言葉にぷるぷると肩をふるわせて真っ赤になっている。




「なんでお前が後輩なんだよ」


悔しそうに侘助が唇を噛む。

侘助は3月生まれだった。
あと三週間遅く生まれていたら理一と同じ学年だったのに。酷く悔しそうに目を潤ませて上目使いに睨みつける。

今年から上田高校に通い始めた邦彦と理一が肩を並べて笑っている姿がうらやましかった。
あと3週間早く生まれていたら自分もそこにいたんだとかわりもしない仮定に胸がチクチク痛んだ。


「それなら、侘助があとちょっと遅かったらよかったのに」

「……」

「そうしたら…」


姉と並ぶ一学年上の叔父の背中ばかり見ていた。
身長は追い抜いたのにその背中は走っても走っても追いつくことはない。

生まれ年は同じだった。
干支が同じであるのに、4月にある学年の壁が高くそびえ立って追い付くことができない。


「言うなよ」

「…侘助」

「学年のことは、言うなよ」


目を伏せ寂しそうな顔をして声を殺ながら呟いた。
泣きそうな表情をしている相手に、理一の胸は締め付けられるように痛んだ。

越えられない壁のそとから抱きしめようと手を伸ばす。
震える肩を抱きしめようとするが見えない壁にぶつかって止まった。



「待ってて」

「え、」

「今は後輩だけど、いつか、侘助に並んでみせるから」


高校はまだ三年ある。
大学に行けば全部で7年背中を追わなくてはならない。
侘助が留年したり浪人したりすればまた別だろうが生憎この叔父の頭の出来は上田高校創設以来ときくからそれは叶わぬ妄言だ。

だから、そんな学年など関係がなくなるまで。

背中を追おうときめた。
それまでは、甥であり後輩であり弟でいい、と。




数ヶ月、それはひどく厚い壁だった。

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1900/04/14
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空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

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