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EAT!(夏神)

 神崎くんが可愛くて仕方ありません。

今週号で城ちゃんのお見舞いに夏目と出かけたという神崎くんですが
どんな道中になっているのかそこのところkwsk!!!
です。

神崎くんは個人的にがりっ子で、夏目よりも身長も低いし体重も軽いといいと思います。

180度縦に開脚できちゃうくらいに体やわかいといいと思います!

えろす!
神崎くんエロス!




(予定では、ちょいエロのEAT!2を近日公開予定です)




続きで本文
 




**EAT!**




 
襲いかかる敵を殴って蹴ってを繰り返して倒していく。
角材で殴られたときにあたりどころが悪かったのか意識はだいぶ朦朧としていた。

「こんなとこでやられてたまるかっ」

ごつんっ、痛む頭をこらえて最後の敵に頭突きを食らわした。

路地の先の大通りが見える。
勝った。
さあ帰ろう。

足を踏み出す。

「あ……れ?」

ぐにゃりと視界が歪んだ。
地面が近づいてくる。
最後まで立って歩いて帰らなくては、いけないのに。
意識が遠退く。

「神崎くん!」

途切れる瞬間に抱きすくめられた。
靄がかる視界にはよく知る栗色の髪。
何か喋っているがもう聞き取れなかった。





神崎が次に目を開いたときに見えたのは病院の白い天井でも家の美しい木目でもなく、脂で黄ばんだよく知った天井だった。

「夏目」

鉛のように重い体はびくりとも動かず、ガンガンと何かを叩きつけるかのように痛む頭を少し横にずらして部屋の主の名前を呼ぶ。
姿は見えなかったが広いとはいえない部屋のなかでは弱々しい神崎の声でも十分に届いたようで、制服姿にバイト先のドラッグストアのエプロンを着た夏目がひょっこりと顔を出した。

「神崎くん起きたんだ。いきなり倒れたから吃驚したよ~」
「いつからいた」
「う~ん、半分くらいのしてたとこかな?喧嘩だって思っていったら神崎くんがバッタバッタなぎ倒していってさ。……あ起きれる?」

楽しそうに笑いながら夏目はベッド脇に座り込んで神崎の膝の上に食べ物の乗った盆をのせる。
バナナ、ヨーグルト、それにスポーツドリンク。

始終笑顔の夏目とは逆に神崎の眉間には深い皺。

「大丈夫だ」

起き上がった瞬間に目眩がして上体がふらついたが手下の手前再度倒れて布団と同化することもできず、神崎は拳を布団の上で握りしめた。
夏目もその様子に一瞬不安そうな表情をしたが、倒れそうになるほど衰弱しても尚折れないプライドと意地になにも言わず、ただ食べ物に手を伸ばすだけだった。

「どうなることかと思ったけど、大丈夫そうだね。ごはん食べれる?」

心配そうに覗きこまれて神崎は険しい顔のままふいと視線を反らす。

「いらねぇ」
「でも食べないとまた倒れちゃうよ?顔色悪いし食べてないんじゃない?」
「食う気がおきねぇんだよ」

甘いバナナの香り、温かいお粥の湯気。
ここ最近の食事は大体ヨーグルッチひとつだけで、喧嘩をするエネルギーすら摂取してないことだって神崎には解っていたけれど、例年以上の暑さで疲弊した体は食べたくない、と叫ぶのだからしかたない。

「ヨーグルッチひとつで喧嘩に勝てるなんていくら神崎くんでも――」
「うるせぇっ!!」

親のように小言を繰り返すような夏目に疲労に磨り減った神経は簡単に切れてしまう。
右手で渾身の裏拳を涼やかな夏目の鼻にめり込ませようとおもいっきり振り抜いた。
振り抜いたはずだった。

「ほら、」

急所を狙ったはずの右手は夏目の顔にさえ届かず力なく布団の上に落ちた。

「ちゃんと食べなきゃ、ね?」
「……食えねぇ」
「もう、仕方ないんだから」

バナナを剥いていた夏目の手が止まり困ったように眉を下げると、頬までかかった女子のように細い髪の毛を喧嘩をしているとは思えない細い手のひらでかきあげた。
そしてひとくち手にしていた黄色い果物にかぶりつく。

目が釘付けになると言うことはこう言うことだろうか。ひとつの波のように滑らかな動きに神崎は息をのんだ。

「神崎くん惚れちゃった?」
「あ゛ぁっ?!」

笑みを含んだ言葉に威嚇するように唸り声をあげれば、いつの間にか鼻先数ミリの距離に夏目の顔が見えた。
先程までバナナが握られていた手のひらは神崎の首に周っている。
驚くほどの握力に「いてえ!」と表情を歪めて文句を言えば、好きありとばかりにその半開きの唇に夏目の唇がピタリと合わさった。

「・・・ぅん!?」

熱い舌と共に入れられたドロリとした物体。
何かわからない本能を揺さぶるような恐怖から逃げようと神崎は目の前の夏目のエプロンに手を伸ばしその胸板を押し返した。
エネルギーの行き渡らない体では自分を拘束する男をはねのけることは愚か、その腕から逃れることもできそうにない。
鼻呼吸だけでは酸素が行き渡らなくて口で息を吸おうともがけば、ゴクリ、とその正体不明の物質を飲み込んでしまった。

「食べれたね、神崎くん」

嚥下したことがわかれば夏目は簡単に神崎を開放した。
大きく口を開け半ば咳き込むように行きを整えれば、わずかに香るその芳醇な匂いに先ほど口に入れられたものがようやくなんであるかわかった。

「・・・・なに、しやがる」
「こうでもしないと食べないでしょ?」
「うるせーな・・・・」

ベタベタと甘い汁が唇についていて不快なこと極まりない。
苦しさのあまり目尻には涙が浮かんでいた。

おもいっきり右手の甲で口を拭った。
まだ、夏目の唇の感触が残っているような気がして恥ずかしくなる。

「ほらほら、神崎くん、まだまだご飯はいっぱいあるんだよ?」

少し冷めた粥を掬って夏目が微笑みかける。
同様しているのは自分ひとりな気がして、それにひどく腹がたった。
そして、何日頭に与えられた食べ物に、ぐうう、と盛大に腹が鳴ったのだった。

「ほら、ね?食べよう?」

やっぱり夏目の人のいい笑顔が、ムカついた。

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