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、はず sideA (北→東)

 ツイッターペダルクラスタ物々交換企画投下ブツ。

「東堂くん受け自由課題」






コレ、荒北×東堂なんで!





つづきほんぶん

**、はず sideA**





 「巻ちゃん、巻ちゃんがね」
 



隣に座る男が携帯を左手に、右手に箸を持って大声で話をしている。
ぶんぶん、と両手を振りながら話すから、両脇ひとつ椅子はいつもあいていて、さながら旧約聖書のモーゼと言ったところだ。

「その話は今朝も聞いたヨ」
「そうだったかい?気付かんですまんね、……それで、巻ちゃんがね」
「……」

溜息を吐く。

向かいに座る東堂は全く聞く耳を持っていないようで、今朝も聞いたと言ったが、実はこれで四度目だと言っておこう。
口を開けば巻島、携帯を開けば巻島、と飽きないのかと思うほどヤツの中は巻島に満ちあふれている。

眉間に皺が寄る。
自分が意図的に寄せてるわけではないのに、勝手に寄るのだ。

「荒北?」
「何だァ?」
「そんな顔してると女子にもてんよ?」

ふと、言葉を止めて俺の名前を呼んでみたら箸の先端をパクリとくわえて首を傾げながら余計なお世話。

「余計なお世話だ、」

イライラして棘のある言葉になる。
本当はもっと優しい言葉をかけたいのに。傷つけたくないはずなのに。
こぼれるのは苛立ちを含む言葉。

「荒北・・・・」

目の前の東堂の顔がみるみるうちに曇っていく。
こんなはず、じゃない。
こんなはずじゃァない。

「なんだよ」

笑顔が見たいはず、だ。
こんな泣きそうな顔なんて見たくない、させたくないはず、なのに、言葉は荒くなるばかりで、止まらない。

「お前もそんなんじゃァ、大好きな巻ちゃんに嫌われちまうぜぇ?」

そんなこと言いたくなかったはずなのに、泣きそうな東堂に追い打ちをかけるように辛い言葉を浴びせかける。
東堂の動き全体が止まる。
目を見開かせて、涙をたたえて。
それなのに俺をじっと見つめていて。

「なんでそんなこというのさ?」
「・・・・・・」
「敵だから?」
「・・・・・・・・・」

しょんぼりした声が俺を責める。
優しくしたいはずだった、と嘆く俺の心とともに、強がる俺をチクチクと苛んでいく。

「それとも、――――」


「うるさい、食事中くらい黙れねぇのか」


「あ、らきたぁ・・・・」

ついに東堂の瞳が決壊してポロポロと大粒のナミダが頬を伝って顎から遊佐に落ちる。
やめろ、

とまれ、
とまれ。

こんなはずじゃなかった、こんなはずじゃ。

優しくしたかった
そんな遠くの奴の話しねェで俺の話をしろって、俺を見ろって、俺だけを考えてくれって、
そう言いたかったはず、

なのに。

なのに、なのに、なんで泣いている?
おれの頭の中ではあいつはいつも笑っているはず、なのに。

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プロフィール

HN:
そらちしいね
年齢:
124
性別:
女性
誕生日:
1900/04/14
職業:
事務員
趣味:
妄想
自己紹介:
空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

支部にも同時にUPしています。
(10932のみ支部限定)

現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
アニメ見れてないなあ・・・

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