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あめふり(今金)

 あーめあーめふーれふーれ。



一回消えちゃったんだ・・・・・ショックでここに書くこともままなりません・・・・・・



あー
あめやだなー。
チャリ勤したいよー




つづきで本文
 



**あめふり**


朝の晴れ間はいつの間にか黒い雲に覆われて、大粒の雨をこぼしている。
数m先も見えないほどの強い雨足は青臭いにおいをもたらしていた。

「・・・・濡れて帰るか」

傘も自転車も、迎えの車もなく今泉は昇降口に立って空を眺めていた。
止むことを知らないような空模様にため息は深い。

小さく踏み込んだ革靴のつま先は、大粒の雨にすぐに色を変えてしまう。
流れ込んだ雨水がズボンの端と靴下を濡らして重みを増やしていた。

「今泉、今帰りか」

濡れて帰ろう、と思った矢先にかけられる言葉。
振り返った先の部活の先輩。

「・・・・ええ、まあ」
「お前、傘は?」
「忘れました」

制服をきっちりと着こんだ金城はまっすぐな瞳で今泉に問いかける。
真っ直ぐすぎる瞳から逃げるように目をそらして小さな声で呟くと、仕方ないな、と柔らかく笑う声。
ばさり、と音がして、足を濡らす雨が途切れた。
はっとして振り返れば、透明なビニール傘を広げて笑う金城とまた眼があった。

「確か駅までは同じ道だったな。入って行けばいい」
「・・・・・え、でも」
「遠慮はいらない、行くぞ、今泉」

雨の中に足を進める金城に、今泉は固まったまま動くことができない。
動けない今泉を半ば引きずるように傘の中に入れた金城は少し背の小さい今泉の歩調に合わせるように校門を進んでいく。

「最近どうだ、勉強もついていけてるか」
「ええ、まあ」
「ほかの一年ともうまくいっているか」
「問題はありません」

話しかける金城の言葉もうまく聞こえない。

濡れないようにと小さな傘の中に詰められた体の側面が触れ合っている。
吐息も、鼓動もすべて相手に筒抜けになってしまうような距離。
少し見上げれば、堀の深い金城の眼を縁取るまつ毛が見えた。

触れ合う肌が熱い。
シャツの薄い布で遮断されているというのに溶け合ってしまうかのように熱かった。

「今泉、大丈夫か?男同士で相合傘なんて恥ずかしかったか」

すまない、軽率な行動だった、と目を伏せた姿に息をのむ。
長いまつ毛が顔に影を作った。

「い、え・・・・そういうことでは」

否定の言葉さえもうまくつぐめない。
口を開けば淡い恋心と欲望の濁流が今日の土砂降りのように流れでそうだった。

うつむいて首を振った。
それしかできない。

「そう、か」

ならよかった、とふわりと笑う瞳が対向車のハイライトに照らされる。
うつむいて弧を描く厚い唇に深い陰影ができていた。

どくり、
大きく鼓動が鳴る。

湿度と気温で蒸し暑いはずなのに、ぞくりと冷気が体を巡った。
汗腺から汗が噴き出る。
外の湿度とは裏腹に、口内はひどく乾いて、飲み込むつばがゴクリ、と大きな音を立てた。

大通りに出たせいではにかみながら話す金城の顔が断続的に車のライトに照らされては消える。
昔のモノクロ映画を見ているように動きはぎこちないが、そのたびに変わる表情は今泉の劣情を高ぶらせるのには十分だった。

体は冷えて行くばかりなのに触れ合った腕だけが熱かった。
(半袖じゃなくて良かった)
布がなかったら、と思うと心に暗い影が落ちる
この薄い生地があるからこそ理性が保てているような気がした。
溶け合っていきそうな熱量が直接触れたら、自分はどうなってしまうのだろう。
心の奥から叫び声を上げる欲望に雨で流されそうな理性が悲鳴を上げた。


「今泉?大丈夫か?」

横顔が不意に傾げられ、覗き込むようになった。
ぼおっと雨の帳の闇を見つめていた今泉の焦点が金城の顔にあった。

「・・・・・っ、すみません、ちょっとぼおっとしていました」

まっすぐ見つめる金城の漆黒の瞳に自分の顔が映っていた。
必至で、欲望に濡れた醜い顔だった。
(逃げ出したい)
奥歯をかみしめる。
逃げ出したいこのまま濡れて逃げ帰りたい、と思っても、体の奥から別の自分が笑いながら見ていた。
触れていたい、ずっとこのまま触れ合って溶け合ってしまいたいのだろう?と金城の瞳の奥から問いかける。
(まだ一緒に、痛い・・・・逃げ出したいけれど…一緒に)

雨が強くなった。
まだ駅は見えない。


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1900/04/14
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自己紹介:
空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

支部にも同時にUPしています。
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現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
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