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さて俺の胸筋はここまで発達していただろうか?(兄にょた金)

後天的にょた金です。

兄貴が最低な気がします。




続きから本文


何も変わらぬ朝の目覚め。

カーテンの引かれた窓の隙間からまぶしいほどの日差しが差し込んでいる。
枕元の時計が、ピピピ、と軽快な電子音を鳴らしていた。

「ん・・・・・あさか」

金城は腕を伸ばしてアラームを止めようとした。
眼を閉じていても、顔を枕に押し付けていても、日常の一部となったこの動作は、決してたがうはずの無いもの

 

 


だった。

 

 


「ん・・・・」

ぱす

「・・・・なんで、とまらない・・・」

ぱす

金城の腕が空を切り、枕に落ちた。

「夜中に移動させていたか・・・」

ぱす

ぱす

ぱす・・・・

ベッドサイドにおカレた棚に一向に手が届かない。もしかして、夜中に床に落としただろうか。
起き上がるのも億劫で顔を向けてみればいつもの位置にいつもの時計。

「なぜだ・・・・」

起き上がろうとすれば、胸が地球の引力に引かれてうまく起き上がれない。

筋肉痛?
昨日胸筋を使った記憶はない。

起き上がり、アラームを止めて大きく伸びをした。


ぱよーん


擬音にすればこんな音だろうか。
何かが伸びをすることによって大きく揺れた。

「ん・・・・」

違和感は胸。

「・・・・え?」

 

 


【さて、俺の筋肉はここまで発達していただろうか?】

 

 

 


「で、真護、その胸が起きてたらついてたんだって?」

「はい」

「何か変なものを食べた記憶は?」

「ありません」

ひと通り叫び終わった真護のもとには、総北高校自転車競技部OBにしてサポート役の寒咲の姿があった。
真護よりも数年長く生きている彼にとってもこんな現象は初めて目撃するようで、後輩の変わり様に目を白黒させるばかりだった。

眉目秀麗・体格にも恵まれた自転車競技部の主将は、グラビアアイドル顔負けのバストに引き締まったウエスト、丸見を帯びた腰を持つ美少女になっていたのだから。

「うーん、何かの誤飲、ということがなければ原因はなんだろう・・・・まさか、胸筋の鍛えすぎなんて」

「ありません」

「だよね」

ははは、と寒咲は乾いた笑いを吐き出した。
自分より体格の良い後輩が、なぜ一夜にして美少女になってしまったのか。
そして、なぜ自分は面影の丸でない――強いていうならばメガネ――少女を金城と認識できたのかがまるで判らなかった。

(でも、ショートカットで巨乳と変わりと好みなんだけどさ)

困ったように考えこむ、眼鏡の向こうの瞳の鋭さと色の深さだけがも音の男の子だった金城の面影があるような気がした。

「先輩も考えてください」

「っていわれても、」

腕を組み真剣に悩む真護。
考えろ、といわれても、熊れた胸の隙間から、変形して歪んだ大きな胸が見えて、まっとうな成人男性の寒咲としては、溢れんばかりの胸は目に毒すぎた。

(しかも、ノーブラでしょ)

パジャマは元のお床のサイズであるため、大きく開かれた胸元には、真っ白い胸の谷間。
本人が全く気にしていないようで、布にこすれた乳首がピンと立って自己主張を初めている。

「ねえ真護」

「なんですか?」

じり、と体を寄せる。
優しく低い声でささやきながら。

ぱっと顔を開けた真護の視線とかち合う。
この純朴な少年は、自分の考えていることなんて微塵も思っていなくて、男は狼なのよ、なんて昔の人が言うようなことなど、信じてさえもいないだろう。

「別にこのままでもいいんじゃねえ?」

「え?」

「真護カワイイし」

「な、なにいって・・・・」

膝と膝を突き合わせて、そっと相手の腕を掴む。
柔らかな胸に寒咲の指が触れた。

「あっ」

短く詰まった吐息が真護の口から漏れた。

近づく寒咲の瞳が優しい先輩のものじゃなくて、ただの男のものになっているのに真護が気づいたときにはもう時は遅かった。

 

「ねえ、しんご、このままでいいじゃない」

「え・・・・・・?」

 

パジャマの裾から寒咲の手が胸に伸びた。

 

どきどき

どきどき


触れられた部分が熱くなっていく。
鼓動が早くなる。


厚い脂肪の壁があるはずなのに、その胸に触れた寒咲の手のひらから愛ての拍動がダイレクトに伝わってくる。


どきどき

どきどき

 

 

「ねえ、・・・・・・・ふべんなんて、ないだろ?」

 


不便なことも、不安なこともいっぱいあるはずなのに、何も伝えることができなかった。


どきどき

どきどき

鼓動だけが早くなっていく。

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1900/04/14
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妄想
自己紹介:
空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

支部にも同時にUPしています。
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