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それは、花びらにも似た(今→金)

桜、綺麗ですねえ。
ちょうど、通勤で使う河川敷が桜満開で、
風が吹くと、花びらが落ちてきて風流なんですよね。


というわけで(?)
今泉君のハイパー童貞力です。

DT今泉くんまじで美味しいです。
こじらせすぎて、妄想ばっかりしまくってるアイタタタタタッタタな子だと美味しいでう



というか、
リリカルホモが書きたいんですが、全然爽やかで甘酸っぱくてスイーツ笑なBLがかきたいんです。
これじゃあ、破綻しまくった幻想小説笑じゃないか



ふぅ。
今泉君の童貞を美味しくいただく金城くんがほしいです。
今週末誕生日なんで誰かください。




続きで本文






風に吹かれて薄桃色の花弁が吹雪のように舞い散り視界を埋める。
車道の脇の桜並木は漸く満開を迎え鼠色のアスファルトの上を白線を消してしまうほどにはらはらと舞い落ちた花びらが積もっていた。
その幾重にも重なる花びらの絨毯を勢いよく駆け抜ければ、まるで水溜まりを抜けたときにできる水しぶきのように花びらが舞い上がった。
柔らかな花弁が肌をうつ。
まるで雨のようだ。
桜の嵐だった。





**それは、花びらにも似た**





「今泉、」

漸く校内に戻りロードから降りれば、一足先に到着していた金城に名前を呼ばれ立ち止まる。

「調子はどうだ」
「……まぁまぁ、っす」

手渡されたゼリー飲料を受け取りそのまま吸い上げる。
溜飲していくには息苦しくてヘルメットを脱げば頭に積もっていたであろう桜の花びらが数枚はらはらと落ちてきた。

「頭にもついているぞ」
「……ッ、すみま、せん」
「いや。ウェアの中も後で確認するといい」
「うす」

金城の、グローブを脱いだ指が――僅かに深爪気味でマニュキアを塗ったように薄く桃色に艶めく指が今泉の少し癖のある黒髪に触れる。
その触れた先から雷に打たれたようにピリッと心に痛みを伴うような刺激が生まれる。
頭を撫でる手のひらは優しく心地いいのに、今泉の劣情を知らず無邪気に触れてくる指は残酷だった。
誰にも触れられないような高潔さは凛とした花のようで、今泉の欲望にまみれた手のひらで触れば桜の花のように簡単に散ってしまうような。
そんな存在。

今泉の妄想の中で金城は純化され、現実でも多大な理想を勝手に押し付けられている。
こうあってほしいこんな人間でいてほしい。
ただの妄想の中の人格であるのに目の前の金城にそれを重ねては勝手に好きになったり、絶望したりする。

「今日はこれでお仕舞いだ、」
「うす……あ、」

偏光サングラスの向こうで金城が微笑む。
胸元まで開いたジャージの下、うっすらと日に焼けた首筋に淡い色の花びらが付着しているのが見えた。

そしてそれにそっと手を伸ばしてそれを摘まもうと声をあげた時に気付く。
花びらに似ているが、全く異なるもの。

(あれは)

鬱血痕だ。
所謂キスマーク。
情事における所有印だと言うことは男女経験のない今泉にも理解できた。

(いったい誰が)

(なんでそこについているんだ)





***




「それ、何ですか」

思えば言葉が口からこぼれ落ちていた。
花びらを摘まもうと伸ばした指で赤く色づく肌に触れる。
腹の底から響くような自分の声に血が上った頭が次第に醒めていく。

聞いてどうするのだろうか、それが情事を肯定するようなものだったらどうするのか。
またモヤモヤとした感情ばかり膨らむだけではないか。
金城の肌に爪を立てれば、その鋭利な角に皮膚が裂けたのかつうっと一筋赤い糸が首筋を伝って鎖骨まで濡らしていく。

「今泉、これ…は」
「誰なんですか。俺の知っている人ですか」
「何を、」
「後輩なら気付かないとでも?見なかったふりをするとでも?」
「まて、」

金城の制止を振り切るように詰め寄れば、片手で支えていたロードがガタンと音を立てて地面に倒れていく。
普段の無口な自分では考えられないほど、言葉が唇から溢れ出ていった。
思考をそのまま声に出すように止めどなく言葉は紡がれ金城が反論することさえ許さない。

「待てと言われて待てるほど冷静じゃありません」
「何がしたいんだ、今泉」

「何が?」

気づけば舞い落ちた桜の花びらの上に金城を押し倒していた。
ジャージのジッパーが鳩尾まで開いていて、膨らんだ胸筋の下にうっすらと割れた腹筋の陰影が見えた。
押し倒した時に外れてしまったのか、普段はサングラスに隠れた真っ直ぐな瞳が今泉に向けられており、その力強さに馬乗りになったまま今泉は肩を強ばらせた。

「俺を押し倒して何がしたいんだ」
「それは」
「これで満足か?」
「違うッ…違います」

体勢は明らかに今泉に有利であるはずなのに最後のひと押しが躊躇われた。

金城が他人のものになるのは嫌だという曖昧な概要は持っているがその為にどうしたいのか、具体的な欲望が想像つかない。
結局は純化の延長なのだろう。

「それがわからないお前のものにはなれない」

またがる腰の上で金城の言葉に今泉はさあっと血の気を失っていき、押し倒して捕まえたはずの金城の体は段々と桜の花びらと同化して消えていく。

「金城さん!」

名前を叫んだときには風に煽られてその体は消えてしまっていた。




***




「どうした?急に叫んで」

ふわりとよく知った制汗剤と汗の臭いの混じった体臭が今泉の鼻孔を擽る。
どれだけ息をつめていたのだろうか。
吐き出しかたと吸い方がわからなくなってゼェゼェと肩で荒い呼吸を繰り返せば漸く視界が開かれていって、目の前――鼻が触れるような距離に金城の大きな瞳があるのに気づいた。

「きん、じょ…さん?」
「体調不良か?」
「………い、いえ。何でも…ないッす」

心配そうに見つめる瞳に漸く今までの出来事が白昼夢だとわかる。
現実と妄想を混同してしまったことがあまりにもショックで軽いめまいを感じる。どうしたんだろうか。
自分の体がうまく動かせなくて躓くように今泉は金城の身体へと倒れこんでしまう。

「無理するな、保健室にでも行くか?」

心配そうに覗きこむ瞳の向こう、小麦色に焼けた首筋に淡く白に近い薄紅の桜の花びらが汗で張り付いているのが見えた。

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空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

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現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
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