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日曜日の恋(今金)

 
最近パラレルばっかに萌えます。
こんばんわ、僕です。


兄金には思いっきり幸せになって欲しいけど、今泉には不倫解かNTRとか後ろ指さされながら金城くんと恋愛して欲しいですwwww
これは愛情です。



金城くんも今泉も、第一子は娘だといいw
しかも、お互いを意識したような名前つけちゃうとかカワイイと思うwwwww

金城 いずみ

とか

今泉 真琴

とか



しかも、ふたりとも離婚とか死別とかで男やもめだといい(え

パパとお父さんと娘ふたりっていう凄まじいスッテップファミリーを築けばいいよ





つづきで本文

 

**日曜日の恋**


「・・・・きんじょう、さん?」
「今泉か、久しぶりだな。仕事帰りか?」

うだるような夏の夜。
デパートの屋上に設置されたビアガーデンにはクールビズのおかげで涼し気なYシャツ姿のサラリーマンがごった返している。
今日は満月だというのに人の熱と屋台の煙で空は霞がかっていた。

社会人になって10年近くになり、結婚して子供も生まれた。
円満な家庭 を築くのは金城には容易いことだった。
それなのに、思いがけない場所で出会った思いがけない男に、金城は動揺を隠しきれなかった。

「ええ、 今日から嫁が出かけているので、一人ここで夕飯なんですよ」
「俺もなんだ。娘を任すとか言われてな・・・今日だけは自分の好きにしようと思ってきたらお前がいるなんて、な。今泉」

ビールジョッキの縁を合わせた。カシャンと住んだ音を立てたガラスの縁をこぼれ落ちたきめ細かい泡が今泉の浸り手に光る指輪を濡らす。

数年ぶりの再会とあって話は弾んだ。
お互いの娘のこと、仕事のこと、部活の仲間のこと、自転車のこと。話題は尽きることはなかった。
少し赤くなった頬に「よってますか?金城さん」止めを細めてからになったグラスを押し当ててくる今泉の顔があの頃よりも大人びていて淡い痛みとなった。



「・・・・終電は大丈夫ですか?」
「ここが最寄り駅だからな。あとはタクシーを拾って帰る」
「奇遇ですね、俺もここが最寄り駅なんです」

駅の改札まで二人で並んで歩いた。
高校の頃には考えられなかった今泉の気遣いに、金城は長い月日の流れを感じていた。

此処で終わりにしたくはなかった。
せっかくの再開をこれで最後にはしたくなかった。
今泉、と小さくつぶやいた声に今泉が自分を呼ぶ声が重なる。

「同時でしたね、どうしましたか?」
「おまえこそ」

二人で顔を見合わせて笑った。
高校時代は金城の方が少し高かった背丈もいまでは視線一つ分今泉の方が高かった。





金曜日の夜、駅の改札の前でメアドと次の逢瀬の時間だけ決めた。

『娘がいるので、日曜日に海辺の公園でも行きませんか?』

独り身であったならどこか遠くに二人で出かけるのも良かったが、お互い一次の父であったから行動範囲は制限された。
近くの――いつも出かける公園なのに、娘を載せたママチャリのペダルはいつもよりも軽くて、早く今泉に会いたい、と鼓動は高鳴るばかりだった。
いつもと同じスピードの、いつもと同じ景色なのに、流れる速さはまるでロードレーサーに載っている時のようだった。前から後ろに街並みが消えて行き、待ち望んでいた人がすぐに見えた。


「金城さんもママチャリに乗るんですね」
「あれは嫁のだ・・・俺のロードには載せられないからな」

であってすぐ意気投合した娘を広い公園で開放して金城は今泉と並んで木陰のベンチに腰をおろした。
お互いロードレーサーに乗っていた姿はいつも見ていたのに、私服に子供座席のついたママチャリに乗る姿なんてあの頃は想像もしていなくて、出会った瞬間に笑い合ってしまった。

遠くで手をつないで走る娘と、時折聞こえる自分を呼ぶ声がなければ高校時代の延長のように今泉と接してしまいそうで怖かった。
ベンチに載せた指先は触れるか触れないかのギリギリを保って、右へ、左へ、膝の上、、、、、へとさ迷わせる。
触れてしまえば「父親」であり「良き夫」である今の自分が壊れてしまいそうで怖かった。
怖いからなのか、ずっと今泉としゃべっているのに、右側へ歯顔を向けられなくて。
手のひらでお互いの距離を図っていた。


「お前が父親をやってるなんて驚きだ」
「どうしたんですか、いきなり」
「いや、後輩のお前しか知らないからな」

ふと今泉に視線を向けてほほ笑んだ。
きっと彼もまっすぐ自分の娘だけを見ていると思っていたからお互いの視線が一直線に合わさったときは呼吸の止まる思いがした。
自分を呼ぶ娘の声の方に視線を送ろうとするのに、からみ合った瞳から離すことができなかった。
ベンチの真ん中で境界を引いていた手のひらはストッパーが外れたようにお互いが引きあって、長い指がゆっくりと戸惑を持ちながらからみ合った。

暖かい、というよりも熱く熱を持った指が触れて溶け出しそうで、汗をかいていてべたついていることも気にすることもなく手のひらを真摸りあいつよくお互いを握りしめた。
均衡は破れ、張り詰めていた糸が切れれば、どこか心にのしかかっていた葛藤や罪悪感が氷のように溶けて汗と一緒に流れていった。


視線が離れて、遠くで駆け回っている娘に向いた。
お互いに娘の名前を呼ぶと手をつないで帰ってくる娘たちがいとおしくて二人で満面の笑顔を向けた。

[パパ、また一緒に遊んでいい?」
「ねえ、いいでしょ?」

お互いの手のひらをがっしりと握り締めあっている娘を挟んで金城は今泉をみつめた。
一昨日再開したとは思えない懐かしさと温かさに止まっていた時間が動き始めた。

「そうですね、金城さん来週暇ですか?」
「日曜日だったらな」

つないだ娘の手のひらから一番遠くにいる今泉のぬくもりが感じられた気がした。
また来週、そう言って離れた背中をただいとおしそうに眺めては肩まで上げた右手を名残惜しそうに体の横に戻した。

また、らいしゅう。
その言葉だけがくりかえし心の中を甘い響きとして巡っていた。

「お父さん、来週楽しみだね」
「ああ」

こんなにも日曜日が待ち遠しい日はなかった。




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1900/04/14
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自己紹介:
空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

支部にも同時にUPしています。
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現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
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