一畳ブログ

**1/3の純情な欲情**




ぬるりとした粘膜がたちあがったソコを包み込む。
ぱっくりと開いた口腔の奥は、底が見えない穴だった。
生暖かい吐息がかかるたびにびくりと腰が揺れる。

「ぅん…今、いず、み…おっ、きぃ」

黒縁眼鏡に、短く刈られた髪の毛…金城の厚い唇が今泉の欲望にまみれた肉棒を吸い上げる。

「んっ…」
「我慢、しなくていい」

開いた傘の部分を強く吸い上げられれば今泉の唇から小さな吐息が漏れた。
唇をすぼめているせいで不明瞭になった金城の言葉が今泉の情欲にさらに拍車をかける。
口に含んだまま言葉を放たれるたびに、大きく育った肉茎に歯があたった。
痛みを伴わないほどに僅かな刺激が伝わり今泉は体を捩ることしかできないでいる。

「きっ…じょ、さぁッ」
「イけ」

頬の粘膜を肉棒に張り付かせて根本から吸い上げれば腰がガクガクと震えていた。

「ん゛…ァア゛ッ」

吸い上げて、武骨な指で陰嚢を捏ねれば今泉の若いからだは前のめりになり、金城の頭を抱きかかえるようなかたちになった。

「あッ…金城、さっ」

どくり、股間の熱量が弾ける感覚が今泉を襲う。
吐き出される欲望、じわりと下半身が濡れる感覚。









「……っ！！」

普段感じることのない不快な違和感に今泉は飛び起きた。
辺りはまだ闇に包まれているようで厚手のカーテンの向こうはまだ薄暗い。
(ここは)
どこだろうか。
官能的な夢に今泉の心臓は張り裂けそうなほど鳴り響き、現在の状況が確認できないほどに動揺している自分がいた。

「…うん、」
「！？」

ガサリと自分の隣で動くものを感じ視線をうつせばまだ夢のなかの同級生。
(合宿…か)
事態が掴めたときに、漸く今泉は自分の股間に感じる不快感を理解できた。
(まさか)
飛び起きる前に見ていた夢のことはぼんやりと思い出せる。
夢にしては生々しいそれは眠っていた今泉の欲望を自己解決させてしまったようだ。

「何であの人なんだ…」

自らの欲望に汚れた下着を握りながら洗面所に向かう。
気づいたのがまだ誰もが夢の中にいる早朝でよかった。
蛍光灯の薄暗い光が照らす廊下を早足で駆けていく。

「…今泉、」
「！？」

廊下の先の洗面所にいた人影が動く夢の中でも聞こえていた低い声に今泉の体が固まった。
おはようと黒縁の眼鏡の奥の瞳が今泉にむかって優しく細められて、どくりと身体中の血液がざわめくのがわかる。

「っす」

夢の中での金城の痴態を思いだし顔がだんだんと赤くなっていく。
そのまっすぐな瞳から目を反らすように一礼するが、どうしたところでそのしせんからは逃れようもない。

「朝練…ですか？」
「いや、他にもやることはあるからな」
「お疲れ様っす」

まだ起床の時間には程遠い夜と朝の間。
夢の続きを期待しているのか、それとも疚しさに苛まれているだけなのか警鐘のように脈打つ心臓は体から飛び出しそうで。ま
っすぐで曇りのない瞳がほの暗い感情を見透かしているように感じて今にも逃げ出したくなってしまう。

「休めるときに休むんだな」
「……はい」

ぽん、と金城の大きな手のひらが今泉の頭にのる。
ふと見上げた視線の先に金城の微笑みが見えた。
手のひらの中の汚れた欲望を握りしめて、今泉はうつむくしか出来なかった。