一畳ブログ
空知椎音の妄想を書きなぐる場所です。
801的・同人的要素が強いので、注意してください。
この世のあらゆるものとはまったく無関係な唯の妄想です。
苦手な方はゴーバックプリーズ。
画面からは801mm離れて見やがって下さい。**一部に18歳以上の大きなお友達用の閲覧物があります。18歳未満のお友達は見てはいけません**
30ページ目欄外にて (福荒)
【 ツイッターペダルクラスタ物々交換リクエスト】
お題::福冨×荒北
福富はオトメンだと信じてます!!
究極の乙女!
つづきで本文
**30ページ目欄外にて**
「好きだ、つきあってくれ」
そう告げられたのは二年の終わり。
嫌う理由も好きになる理由もなくて適当に返事をしたのが間違いだったかもしれない。
「ならば、交換日記から頼む」
差し出されたのは厚い表紙で鍵がつけられるようになった日記帳。
ピンク色の表紙には色とりどりのハートのイラストとラメ。
(女子かよ)
ため息をつく。
王者箱学自転車部を引っ張る主将がこんなにメルヘンでいいのかと。
とりあえず渡された日記の一ページ目を開けば、福富の武骨で角角とした筆圧の高そうな文字が並んでいる。『今日の気分や楽しかったことを書こう』ピンクのメルヘンなノートに丸文字で注意書き。
その下の福富は、そのノートには全くあわないような字で、ファンシーではない内容の日記を書いていた。
(たくゥ、部活内容は部誌に記録しろよ)
彼らしい、といえばらしい日記に笑いを禁じ得ない。同じ学校、同じ学年、同じ部活なんだから知っていて当たり前のことを、福富は毎回日記につづっていた。
さて、そんな調子で毎日疑似部誌交換日記が交わされ、ページも本の真ん中へと進んでいった。
(きょうで30ページ目かァ)
荒北は自分が書くべき空白ページのノンブルを見遣った。
欄外に『1ヶ月おめでとう!!記念にしたいことは?』とハートマークのコメント欄がある。
(遣りたいことを書いたら遣ってくれるのかヨ)
つきあってくれと言われて30日変わったことは交換日記を付け始めたことくらいしかない。
手を握ったことも恋人同士の甘い会話さえない。
(世話がやけんなァ)
細い目をさらに細めて笑う。
シャープペンシルを出してサラサラと枠内を埋めた。
さて、
これを見たら純情な彼はどうする?
そう考えるとニヤニヤが止まらなくて、とりあえず乱暴に彼の机に冊子を投げ込んで帰宅した。
翌日、交換日記はまた荒北の机の中にもどっていた。
(結局スルーかよ)
朝練でも顔をあわせたのにいつもと変わらぬ鉄仮面で反応のない相手にため息を盛大についてみせ、何の期待をもせずノートを開く。
31ページ目はまだ空欄でどうしたのかと思い、一つ戻れば30ページ、荒北の日記のハートの下に『いいのか?』と一言。
全く。
手の掛かる男だ。
ため息を吐いてみたが、日記を持ち人に溢れた昼休みの廊下を進む足取りは軽い。
荒北は福富がいるであろうトレーニングルームに向かう。
どうしようか。
なんて言おう。
鈍感で愛おしいあいつに。
ドアを開けてマシンの上の相手を真っ直ぐ見つめる。
「寿一」
滅多に呼ばない名前を呼べば、足が止まり、汗だくの福富の顔が荒北に向く。
「荒北」
「日記、自分の分書いてないだろゥ?」
「あぁ」
「それに、」
上履きをパタパタとならして相手に近づいていく。手に持った日記のページを指で捲り、にやにやと口元には笑みを浮かべている。
「いちいち確認するとか、野暮なことすんなよ。男前が台無しだぜェ」
30ページで指が止まり相手の目の前に日記を差し出す。
シャツの裾で腕に浮かんだ汗を拭い無言のまま荒北の手から日記を掴みあげた。
「で?」
「……」
黙ったままの福富を下からのぞき込むように顔を近づける。
左手で額に張り付いた前髪を一房一房はがしていく。
「じゅいち、なァ」
もう鼻と鼻がぶつかりそうだ。
もうトレーニングをやめたというのに、額からは滝のような汗がでて。
ドキドキ、と触れていないのに自分と相手の鼓動が嫌になるくらい聞こえた。
「1ヶ月の記念、だろォ?」
睫が触れそうなくらい近くから相手の瞳をのぞき込む。
瞳の奥に自分の顔が見えたがそれはすぐに消えた。
早く、
と呟く言葉を吸い込むように、そっと熱い唇が合わさった。
30日目の30ページ目の願い事は、額を流れる汗でしょっぱいはずなのに、どこかほんのり甘かった。
お題::福冨×荒北
福富はオトメンだと信じてます!!
究極の乙女!
つづきで本文
**30ページ目欄外にて**
「好きだ、つきあってくれ」
そう告げられたのは二年の終わり。
嫌う理由も好きになる理由もなくて適当に返事をしたのが間違いだったかもしれない。
「ならば、交換日記から頼む」
差し出されたのは厚い表紙で鍵がつけられるようになった日記帳。
ピンク色の表紙には色とりどりのハートのイラストとラメ。
(女子かよ)
ため息をつく。
王者箱学自転車部を引っ張る主将がこんなにメルヘンでいいのかと。
とりあえず渡された日記の一ページ目を開けば、福富の武骨で角角とした筆圧の高そうな文字が並んでいる。『今日の気分や楽しかったことを書こう』ピンクのメルヘンなノートに丸文字で注意書き。
その下の福富は、そのノートには全くあわないような字で、ファンシーではない内容の日記を書いていた。
(たくゥ、部活内容は部誌に記録しろよ)
彼らしい、といえばらしい日記に笑いを禁じ得ない。同じ学校、同じ学年、同じ部活なんだから知っていて当たり前のことを、福富は毎回日記につづっていた。
さて、そんな調子で毎日疑似部誌交換日記が交わされ、ページも本の真ん中へと進んでいった。
(きょうで30ページ目かァ)
荒北は自分が書くべき空白ページのノンブルを見遣った。
欄外に『1ヶ月おめでとう!!記念にしたいことは?』とハートマークのコメント欄がある。
(遣りたいことを書いたら遣ってくれるのかヨ)
つきあってくれと言われて30日変わったことは交換日記を付け始めたことくらいしかない。
手を握ったことも恋人同士の甘い会話さえない。
(世話がやけんなァ)
細い目をさらに細めて笑う。
シャープペンシルを出してサラサラと枠内を埋めた。
さて、
これを見たら純情な彼はどうする?
そう考えるとニヤニヤが止まらなくて、とりあえず乱暴に彼の机に冊子を投げ込んで帰宅した。
翌日、交換日記はまた荒北の机の中にもどっていた。
(結局スルーかよ)
朝練でも顔をあわせたのにいつもと変わらぬ鉄仮面で反応のない相手にため息を盛大についてみせ、何の期待をもせずノートを開く。
31ページ目はまだ空欄でどうしたのかと思い、一つ戻れば30ページ、荒北の日記のハートの下に『いいのか?』と一言。
全く。
手の掛かる男だ。
ため息を吐いてみたが、日記を持ち人に溢れた昼休みの廊下を進む足取りは軽い。
荒北は福富がいるであろうトレーニングルームに向かう。
どうしようか。
なんて言おう。
鈍感で愛おしいあいつに。
ドアを開けてマシンの上の相手を真っ直ぐ見つめる。
「寿一」
滅多に呼ばない名前を呼べば、足が止まり、汗だくの福富の顔が荒北に向く。
「荒北」
「日記、自分の分書いてないだろゥ?」
「あぁ」
「それに、」
上履きをパタパタとならして相手に近づいていく。手に持った日記のページを指で捲り、にやにやと口元には笑みを浮かべている。
「いちいち確認するとか、野暮なことすんなよ。男前が台無しだぜェ」
30ページで指が止まり相手の目の前に日記を差し出す。
シャツの裾で腕に浮かんだ汗を拭い無言のまま荒北の手から日記を掴みあげた。
「で?」
「……」
黙ったままの福富を下からのぞき込むように顔を近づける。
左手で額に張り付いた前髪を一房一房はがしていく。
「じゅいち、なァ」
もう鼻と鼻がぶつかりそうだ。
もうトレーニングをやめたというのに、額からは滝のような汗がでて。
ドキドキ、と触れていないのに自分と相手の鼓動が嫌になるくらい聞こえた。
「1ヶ月の記念、だろォ?」
睫が触れそうなくらい近くから相手の瞳をのぞき込む。
瞳の奥に自分の顔が見えたがそれはすぐに消えた。
早く、
と呟く言葉を吸い込むように、そっと熱い唇が合わさった。
30日目の30ページ目の願い事は、額を流れる汗でしょっぱいはずなのに、どこかほんのり甘かった。
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プロフィール
HN:
そらちしいね
年齢:
124
性別:
女性
誕生日:
1900/04/14
職業:
事務員
趣味:
妄想
自己紹介:
空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。
支部にも同時にUPしています。
(10932のみ支部限定)
現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
アニメ見れてないなあ・・・
お気軽にお声かけください!
リンクは女性向け同人サイト様に限りリンクフリーです。
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