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Polaris(今金)


こんばんわ、ガンダム漬けのしいねです。。。。
ペダルキャラがMS乗ったら何になるかとか考えて大変なことになってます。。。。

巻ちゃんは変形MSとか、
なるこっちは目立ちそうなサザビーとか百式とか
御堂筋くんは三倍だからシナンジュかなとか
なら坂道はシナンジュに対抗するからユニコーンと見せかけて真っ白なのはやっぱまなみんに乗せたいとか
呉南はチーム戦だからドムとかハンムラビかなとか
金城くんにはやっぱ個人的なアレでZがいいなとかとか


HENTAIでごめんなさい。。。

というわけで
今→金です。

ちょっと乙女ぽさを考えて書いて見ました。




続きで本文



 



**Polaris**



「理科選択?なら地学がいいぜ。担当変わってないならじいさんだし、適当に課題して適当に授業出てればそれなりの成績になるしな」

半年以上前。
県立総北高校に入学が決まり、自由選択の理科を何にするか悩んでいたときに不意にかけられた幼馴染みの兄の言葉。
知り合いの卒業生と言えば彼しかいなかったから、その一言で何も考えずにプリントの科目に丸をつけた。
中学の理科でも地震、地層、天体と何度か授業に出てはきていたこの単元は、化学反応式や等速直線運動やら生物の成り立ちなんて他の分野のややこしさと細かな知識に比べれば計算式も暗記量も少ないような気がして、『先輩のアドバイス』を無下にすることはないように思えた。

確かに、先輩が言ったように覚えることは少なくて、テストも一夜漬けだろうが復習が間に合わなかろうが赤点は愚か平均を下回ることなど一回もなかった。
いい授業を選択した。
これが地学に対する今泉の評価である。
鳴子や坂道はそれぞれ生物と物理を選択していたようだがテスト前に教科書片手に用語や四苦八苦する様を見ていたからなおさらだ。


「次回で天体は一区切りなのでまとめということで課題を出します」

授業終わりに渡されたプリント。
どうせ小テスト形式の課題だろうと安心しきっていたのが運のつき。






「天体観察って何だよ…」

プリントを手にして今泉はため息をついた。

彼岸を過ぎれば秋の夕暮れは短く、直ぐに藍色の闇に包まれる。
星なんて直ぐに見つかるだろうと部屋の窓から真っ暗の夜空を見上げてみたが、ここは住宅街である。
繁華街とは違えどまだ窓から漏れる室内灯やポーチライトのせいで夜空は紺色一色のままだった。

「あのじじい…」

何が「秋は空気が澄んで星が見えやすいでしょう」だ。
ぎり、と奥歯を噛む。
授業初日にもらった天球図と課題のプリントを鞄に詰めてロードにまたがる。
電灯で見えにくいならば光がないところにいけばいい。
透明な夜風を切って今泉は学校近くの峠を目指してペダルを踏み込んだ。



「こんな時間に練習か?」

30分もかからず辿り着いた目的地には意外な先客がいた。
厚手のパーカーを着こんだ金城が今泉を見つけて柔らかな月の光にも似た笑みを浮かべている。

「うす、……地学の課題で」

自転車を近くのガードレールに立て掛けて金城の横に並べば、事情を了解したのか金城が「懐かしいな」と眉尻を下げて苦笑した。

「寒咲さんにでもすすめられたんだろう?地学は楽だと」
「っす」

がさごそと着脱式のライトを口に加えて天球図とプリントを取り出そうとする今泉を補助するように金城も自分のライトを手に今泉の手元を照らす。

山を上がるにつれ減る街灯。
こんな時間になれば住宅街から離れた山の上には車など来るはずもなく人工の光は家の回りに比べまるで無いに等しかった。
その代わり見上げれば雲の少ない澄んだ秋の空に数多もの星が煌めいて見える。

「課題は面倒だが、成績はとりやすいな」
「金城さんも?」
「あぁ、入学前に部活に参加していたとき、寒咲さんに勧められてな」

俺がライトを持つぞ、と左手に握った電灯が金城の手のひらに移る。
アスファルトに下敷きを置き、胡座をかいてプリントを広げる今泉の真横――肩と肩が触れあうほどの距離に金城が腰を屈める。
急に近づいた距離に、金城の呼吸や瞬きの音までも聞こえているような気がして今泉はごくりと喉を鳴らした。

「わからないことは俺に聞いてくれ。期末の過去問も使うなら持っていこう」

息づかいまで聞こえる程の距離に今泉の鼓動は8ビートではなく、もうすでに16ビート近くまで上がっている。

「ほら、あそこが北極星だ」

観察者の今泉の視線とあわせるように頬を近づけて、ハイビームライトを金城が空に掲げる。
北天の空の真ん中に一際明るい星が見える。

「あれが…」

地軸の延長にあるために、誰とも交わらず天の中央に君臨し北天を支配する恒星。
光のみちしるべを辿り見上げた今泉にもその北極星の灯りが見てとれた。

空の中心にあるからまわりのどの星も触れることはできないただ絶対的な中心星に視線が奪われる。
まるで隣にいる男のように思えるのは惚れた弱味なのかと今泉は奥歯を噛み締めた。
捕まえて抱き寄せて愛の言葉をぶつけたい。
しかしそれは叶わない。
後輩だから男だからと言い訳をつけて。

「あの下に出ているのが北斗七星だ」

プリントを埋める手が止まる。
片膝をたてて夜空を見上げる金城の横顔を盗み見た。

きりっとした鼻筋、彫りの深い目元はまるで大理石の彫刻のように完璧なまでの造形に瞳が奪われる。
星座になったというギリシャの英雄とはこういった強さと美しさがあったのだろうか。
いつか授業で触れられた星座に関する逸話を思い、見とれると言うほどに熱い視線でその横顔を眺めていた。

「どうした?」

どれくらいの時間その稜線が画く鼻筋を、夜の闇よりも黒く北天を統べる星よりも明るい瞳を眺めていただろう。
透き通る秋の夜風にも似た声にふと我に返れば真っ直ぐな瞳が今泉の鼻先に近づいた。
相手の息遣いもわかるほどの至近距離に思わず息を飲めば緊張と僅かな罪悪感に全身から汗が吹き出し、体の奥から熱が沸き起こるような感覚に包まれる。

「どうした?俺に何かついているか?」「いえ…」

ただあなたのきれいなよこがおをながめていただけです。

なんて言えるはずもなく真っ黒な瞳から手元のプリントに視線を移した。
こんなに暗い山道なのに、自宅の部屋よりも星が見えないのは何故なんだろう、なんて馬鹿げた疑問が秋風に吹かれて飛んでいった。



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空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

支部にも同時にUPしています。
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