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イルカのくちづけ(昭禅現パロ)

 
こんばんわ。
またも昭禅です。
現パロです。

もうホント何がしたいって、昭禅のキスが書きたかっただけなんです!!!
ごめんなさいごめんなさい。


そして、作品別で昭禅にポチッとなしてくれた皆様ありがとうございます!!!!!

いいですよね、昭禅。
ホントマジで好き。

多分、現パロだと、趙雲あたりが超小姑で「あんな男と付き合ってちゃダメです!」「門限は五時です!!」とか口うるさいんだろーぜ。
そこは愛の力で駆け落ちでも何でもしてくれ、司馬昭。

司馬昭の愛車は多分BMとかかな。
フォードもかわいいよね。
外車だけど、右ハンドルで。





続きで本文




 


**イルカのくちづけ**



内陸にしか住んだことのない劉禅が海をみたいと言った。

「海とは塩気のある河だと聞いたのですが」

と素っ頓狂な問いを司馬昭に向けるので本物の海を見に行くぞ、と劉禅を自分の助手席に押し込んで司馬昭はアクセルを全開にして町を進む。

「海はもっと広くてでかい」
「湖とはどちらが大きいのでしょうか」
「海かな」

いわゆる良家の箱入り息子である劉禅は突然不思議なことを言い出すことが多い。
勉学も家庭教師に任せて学校に通わなかったせいか知っているはずの常識にも疎かった。

司馬昭に出会うまで自分の住んでいる町からでたことがないと言うのだから親の過保護さをあきれることしかできない。
一体どんな子供時代を過ごしてきたのだろうか。
司馬昭自身もいわゆる両家の生まれではあるが、父も母もいわば放任主義的な子育てをしたせいか、やんちゃもするような普通の子どもとして成長していた。

「子上は海を見たことがあるのですか?」

車の助手席で首を傾げて問いかける劉禅にちらりと視線を移す。

今にも雨が降りそうな平日。
海へ向かうハイウェイには車の姿は見られない。

「ああ、もちろん。釣りにも行ったし、泳ぎにも行ったよ」
「ふふふ、おもしろそうだ」
「じゃあ、夏になったら公嗣の水着を買って泳ぎに行こう。元姫や兄上たちも一緒に出かけたら楽しいぞ」

口元に笑みを作って笑う。
幼い頃には父母につれられて海へと行った記憶があるが最近は子供も大きくなったせいか家族そろって外出することなどない。
海遊びをしたことのない劉禅とふたりで海デートも良いなとも思うのだが、大勢での海遊びの楽しさを劉禅にも知ってもらいたかった。

「楽しみにしているよ」
「おう」

ハンドルを握っていた左手をはなして隣に座る劉禅の頭をなでる。
少しうつむいて嬉しそうにほほえむ姿が見えてだんだんと雲行きが怪しくなる空にも不安など覚えなかった。




結局二人が海に着いた頃には、どんよりと落ち込んだ雲の中から大粒の雨がぽつりぽつりと地面をぬらし始めていた。
傘など持っていなかったから海にでることはあきらめて、海岸の近くに建てられた水族館に二人は足を向けることになった。
平日の昼間、大きな水槽の前には劉禅と司馬昭の二人しかいない。

「これが・・・」
「海。まあ、人間が作り出した人工のものだけどね」

手を離せばいつもの落ち着いた足取りから一歩軽くなった調子の劉禅が10m以上もある大きな水槽に近づいていく。
薄暗い館内に落とされた間接照明が、青い水の影の中に劉禅の影を泳がせた。

「魚が」
「河とは大違いだろ?」
「ええ。水魚の交わりとは言うけれど、河の魚より生き生きとしてるのですね」

色とりどりの魚を追うように劉禅の瞳がくるくると水槽の中を回る。
青い光に吸い込まれるようにガラスに手を突いて、水の中に入らんとばかりに目を細めて笑うその姿に司馬昭も笑みを禁じられない。

「海は川とは比べものになんないくらい生物がいる。魚だけじゃない」

大きなガラスに張り付くように水槽を眺める劉禅の体を覆うように司馬昭が体を重ねる。
顔を寄せるように屈み水槽の奥の大きな影を指す。

「あれは?」
「鯨だ」

真っ白な巨体をもって水の中を優雅に泳ぐ姿に劉禅の目が細められる。
円らな瞳の白イルカは二人に気づいたのかまるで触れてしまえそうなほど近く間で躍り出ていた。

「本では見たことがありましたが、ここまで大きいとは」

ガラスの向こうで嬉しそうに鳴き声をあげるイルカに触れようと手を伸ばした劉禅の白い肌は、厚いガラスに遮られて、残念そうに少し寂しそうに司馬昭を見つめながら、眉を下げてほほえみを見せた。

「公嗣」
「はい?」

背の低い劉禅に目線をあわせて笑う。

「ガラスに頬をつけてみて」
「頬を?」

不思議そうに問う劉禅に、いいからと笑みを持って制する。

「ほら、よく見てろよ」
「・・・・・・」

冷たいガラスに頬を押しつければ、ガラスの向こうの白イルカにもそれが見えたのか愛らしい唇をガラス越しではあったけれども劉禅に押しつけた。

「触れないけど」
「いえ、確かに、ここに口づけが」

ガラス越しにイルカが触れた場所を大切そうに手のひらで押さえて劉禅は頬を桜色に染めて嬉しそうにはにかみながら笑っている。

「そりゃよかった」

じゃあ、まだ劉禅を背中から抱きしめるようにたっていた司馬昭は背中を丸めると、劉禅の反対側の頬に口づけを落とした。

「こっちは俺から」
「ふふふ、では、私も子上にお礼をしなくては」

頬を押さえていた手を少し背の高い司馬昭の首に回す。
踵を持ち上げてかすめるように短いキスを頬に落とした。

「こう、し」
「ふふふ、真っ赤だ」

大きな水槽を前にして、司馬昭のからだから離れた劉禅が真っ白な体をしたイルカとともに満面の笑みを見せていた。

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空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

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