忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

しあわせ(擬似)家族計画 vol.3(だてまご)

 


伊達孫現パロ第3弾です。


年度末は忙しいので孫も仕事を持ち帰ってます。

孫は、総務とか経理系だと思う。




それだけです。



続きで本文


 

**しあわせ(擬似)家族計画 vol.3**



「孫市、まだ起きているのか」

書斎のドアが開いてまだ声変わりをして時のたっていない若い少年の声が耳にはいる。
孫市はキーボードを打つ手をいったん止めて入り口に視線を向けるとマグカップを手にした政宗の姿をとらえ疲れた顔で笑顔を向ける。

「あー、あとちょっと。ガラシャは?」
「もう寝たわ。何時だと思うておる」
「何時?」

時もたつのを忘れたほどに書類を作成していたようで、いらいらを含んだ厳しい口調の政宗が時を告げるとばつが悪そうに癖のある髪を掻いた。
近づいてきた政宗が机においたのは湯気の立つほどに暖かいコーヒーで。
「サンキュ」と小さく礼を言うと両手で暖をとるようにカップをつかんだ。

「今日やらねばならぬものなのか?」
「んー、そこまで急ぎってわけじゃないけど」
「ならすぐに終わらせろ」

幼い頃に片目を失った政宗の隻眼は両目で睨まれるよりも鋭いもので、10歳以上年の離れた高校生が相手だというのにうまい反論が孫市にはできない。
渋々今作ったところまでを保存してパソコンの電源を切る。

「政宗はこんな時間まで起きていて学校大丈夫なのか?」
「先週から春休みじゃ」
「そーいえば」

そういえば先週、ガラシャとともに期末の成績表を渡されたのを思い出した。
二人が登校する前に出社し、夜遅くに帰宅する孫市には二人の生活サイクルを把握するのは難しく二人の話を聞かないと遠い昔に終了した学生時代のことなど思い出せるはずもなかった。

「全く、仕事もいいが、程々にしろ」
「はいはい」

腕を組んで見下ろされればどちらが保護者か解らなくなる。
温かいコーヒーに口を付ければかけていた眼鏡のガラスが曇って視界が悪くなった。

「そんな隈ばかりではガラシャも心配するぞ」

政宗のきれいに爪の切りそろえられた指が孫市の眼鏡を外した。
眼鏡がなくても生活に支障はないが、パソコン作業をするときには必要不可欠な代物で、政宗以外の背景が急にぼんやりして孫市は目を細めた。

「自重するよ」
「解ればいい」

きれいに眼鏡を折り畳んだ指が今度は孫市の頬にのばされた。
ひんやりと冷たい指先は簿億とする頭を覚醒させるには十分で。

「わしも心配しておる」
「へえ、おまえも心配することなんてあるんだ」

眼帯に隠されていない政宗の隻眼が細められた。
自分の感情を表に出すようなことがまれな少年が素直になるのが嬉しくて頬が自然とゆるんでくる。

「なあ、どれくらい心配してんの?」

ついついからかってしまいたくなる衝動が抑えられなくて言葉を紡げば孫市の言葉の意図が解ったのか、政宗の眉間にしわが寄るのが解った。

「なーあ」
「うるさい、」
「まーさむねえ」

右足を伸ばして政宗の膝を小突く。
同居してから振り回されてばかりだったから自分に政宗が振り回されている様が楽しくて仕方がない。
甘い声で名前を呼ぶ。

これくらい困らせたってかまわないだろう。
裸足の右足で政宗のスウェットをつかむとくいくいとひっぱった。

「何をする!馬鹿め!」
「いーじゃーん。お仕事がんばってる俺をねぎらってよー」

唇をとがらせる孫市に政宗は頬をわずかに染める。
大人の無茶ぶりにまだ若い政宗が困惑する様子が新鮮で楽しくなって仕方がない。

「ねぎらえばよいのだな」
「そーそー」

なかなか素直にならない政宗が返した言葉に満足そうに笑った拍子に頬にふれていた指が孫市の顎をとらえる。
続いて落とされたのは政宗の唇で。
笑っていたため薄く開かれていた隙間から熱いほどの舌が進入してくる。

「・・・・ぅんっ」

孫市の舌を追いかけるようにのばされた舌が口内をくまなくふれていく。
深い口づけに孫市の鼻からはこもったような吐息が抜けていった。

「ねぎらいじゃ」
「・・・まさむねえ」

長い口づけから解放された孫市はずるりと椅子から滑り落ちて腰をわずかに屈め、満足そうに笑う政宗の顔を見上げて弱々しく名前を呼ぶことが精一杯のできることだった。


拍手

PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

最新記事

フリーエリア





カウンター

アクセス解析

P R

プロフィール

HN:
そらちしいね
年齢:
124
性別:
女性
誕生日:
1900/04/14
職業:
事務員
趣味:
妄想
自己紹介:
空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

支部にも同時にUPしています。
(10932のみ支部限定)

現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
アニメ見れてないなあ・・・

お気軽にお声かけください!




リンクは女性向け同人サイト様に限りリンクフリーです。

アクセス解析