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六尺の世界(姜覇)

 
呂布出してもらいましたwww(ようやく)
めっきり呉軍方面しかやってなくって呂布とか全然遠かったのにwww
頑張ってとってもらったよwww


というわけでまたもや姜覇です。


公式設定で身長差もわかったことですし!
というネタですが、注釈1つ。


*一尺=30.3cmでの計算です


クロニクルで、修学師さんが、中国の一尺は23cmって教えてくれたんですけど、日本人の感覚としてやっぱり、1尺は30.3cmなんですよね。
なんて。
計算が面倒だとか言わないで。

というかなんというか、23cm計算だと、夏侯覇が7尺で、なんかめっちゃでかく感じるからってことなんだけど。

そんな事言ったら生姜は8尺なんだけどね。

ううーん。
同じ言葉の単位なんだから、同じ長さにしてくれればいいのに・・・・


あれなのかな、中国人のほうが日本人より、腕の長さ短かったのかな。
ほら、尺って、腕の長さでしょ、確か。

ふむう。



ということで


続きで本文


 



**六尺の世界**






「きょういどのー」

鍛錬のためにと広い庭先で槍を降っていた姜維の頭上によく知った夏侯覇の声が降ってきた。
彼の身長は自分よりも低いはずだから上から降ってくることはない。
不思議に思いながら顔を上げれば大きな木の枝にぶら下がる彼が見えた。

「どうしたんですか?そんなところで。危ないから降りてきてください」
「だいじょーぶって!よっと!」

体を揺らしながらぶら下がる夏侯覇に目を細めて小言を放ってもいつもの人のいい笑みを返されてしまう。
勢いをつけて新緑の葉とともに飛び降りてきた夏侯覇は、姜維の横に飛び降りると小さな体で姜維を見上げた。

「うーん、まだ変わんねえか」
「何がです?」

頭一つ違う身長差に眉を寄せる夏侯覇に首を傾げて姜維は問いかける。

「目線」
「そうそう変わるものではないですよ」

出会ったときから変わらない身長差にくすりと姜維は笑う。

成長期を過ぎた二人だ。
そうすんなりと身長が変わるはずもなく。

「でも親父も背が高かったぜ?叔父だって結構あったのにさあ」

唇をとがらせて姜維を見上げた夏侯覇は背伸びをするといっぱいに手を伸ばして姜維との身長差ををはかるように自分の頭と姜維の頭までの間で手のひらを動かしていた。
それでもわずかに手のひらは姜維の頭には届かない。

「それで木に?」
「そう。ぶら下がれば身長伸びるって言うだろ?」
「そうですか?」

わたしはそんなことしなくても伸びましたから、と首を傾げて笑えばさらにすねたように唇をとがらせて姜維をうらやましそうに眺めた。

「ここ何年か伸びてないけど一気にくることもあるだろ?牛乳だって飲んでるし」

どうしても身長を伸ばしたいのか民間で言われている様々な方法を試す夏侯覇をほほえましく思う反面、なぜそこまで必死になるのだろうかと姜維は不思議に思う。

確かに周りの女子武将と同じ(もしくは低い)身長や異様に若い容貌は劣等感にしかならないだろう。
しかし成長期ではなく、大人になったころに今更。
と思うのも必然。
今までそこに頓着しているようにも思えず姜維は?マークを頭に浮かべた。

若すぎる容貌は兜で隠せばいい。
低身長による武器の扱いが不得手ならば大剣でなくもっと扱いやすい武器にすればいいだろう。
それに武器だけの問題であればまたいっそう身長を伸ばさなければと焦るのもそれはまた今更なきがした。

「夏侯覇殿の努力はわかりましたが、なぜ今更?武器の扱いが難しくなったというなら槍や剣に返ればよいでしょうし」
「そーいう理由じゃなくって」
「では?」

武器の扱いではないと言われればさらに疑問は募るばかりだ。
ほかに急いて身長を伸ばす理由など思いつくはずもなく姜維はじっと夏侯覇の幼さの残る顔を眺めた。

「えーっと、なんていうかー」
「5尺の夏侯覇殿でも私は十分魅力的だと思いますよ?」
「5尺じゃないから!」

5尺半!と姜維につっこみを入れる夏侯覇の言葉ははじめの頃よりも切れが悪い。
何かを隠し言い淀むような。
そんなにも聞かれたくない理由でもあるのかと思えばさらに詮索したくなるのが人の性。

「ですから、そのままでも私は十分だと言ってるのです。それでも身長がほしいという理由を私は知りたいのです」

身を屈めて夏侯覇に視線を合わせてその瞳をまっすぐに見つめる。
そのまっすぐに熱い視線から逃れるように夏侯覇は顔を赤に染めながらうつむいてぼそりと「笑わないよな」と一言つぶやいた。

「もちろんですよ。笑われる理由があるんですか?」
「ないけど」

くだらないことだからさ、と呟いた夏侯覇は、ゆっくりと顔を上げると上目遣いに姜維を見上げてまた消え入りそうな声で呟く。

「身長が伸びればそれだけ姜維殿とみてる世界が近づくだろ」

だから、6尺ほしい。
だから、牛乳を飲んだ。
だから、木にぶら下がった。

すべては姜維に近づくため。

「夏侯覇殿・・・いえ、仲権!」
「わ!」

姜維が手にした槍をぼとりと地面に落としてその両腕で一回り小さな夏侯覇の体を抱きすくめる。
鎧をまとわず木綿の平服を身にまとった夏侯覇の肩に顔を埋める。
いきなりのことに抱きしめられた夏侯覇も驚きの声を上げて目を何度も瞬かせている。
背中をかき抱く腕は強く身をよじっても到底抜け出せそうなものではなかった。

「きょういどの」

戸惑いを含んだ夏侯覇の声が名前を紡ぐ。
強い抱擁が息苦しいのか声がくぐもる。

「本当にかわいい」
「かわいいって、ちょっと」
「かわいいです」

かわいいと自分に向けられる言葉にむっとしたように眉を寄せるも抱きしめられた腕を振り払ういわれはなくそのまま体の中にすっぽりと埋まったまま抱きしめられている。

「私と同じ視線になりたいから背を伸ばすなんて、愛しすぎますよ」
「そ、そうか?」
「ええ」

にっこりと笑って姜維は小さな夏侯覇の体を両腕ですっと抱き上げた。
ふわりとからだが浮けば、視界が広がる。

「でも、私がみている視線なら、こうやってすぐに」

いきなり不安定になる体にぎゅっと夏侯覇が姜維の肩に腕を回した。
普段とは違う景色がその瞳に映る。

「私が見せてあげられますから」

姜維がかがむことなく。
夏侯覇が背伸びすることなくお互いの視線がまっすぐに合わさった。

6尺の世界。
見上げた空が少し近くなった気がした。


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こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

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