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愛を誓う日(宗清)

 わー!
来週バレンタインだよー!ってことで、バレンタイン第一弾です。


無双でどうする!って思って、ねじ曲げて、見ました。勿論チョコネタじゃないよ。
つかむしろ、バレンタインなんて見人もないからな!覚悟してくれ!
そして、なんだかむずがゆい!

そんな宗清です。

宗清はハーレクインだと思います(意味不)
むず痒くてこそばゆくてドリーミンで!



というか、バレンタインより!
猛将伝の発売ですよね!!!
あと一週間ですよ!!!!
皆様!!!!

既存キャラも、新キャラも、三清も宗清も伊達孫も楽しみすぎてどう仕様も無いです!!!!!!




早く来週になあれ☆彡





続きで本文




  


**愛を誓う日**




年が明けて一月半が過ぎ暖かい日差しが漸く春を迎えた庭に差し込んでいる。

「―――おい、どけ馬鹿」

麗らかな如月の午後、遠くから鴬の声が聞こえる長閑な日。
そののんびりとした空気を引き裂く棘のある声が広い室内に広がった。

「そんな怒らなくてもいいだろう」
「いきなり押し倒されれば怒るに決まってる」

清正がキリッと睨み付けても馬乗りになり普段の涼しげな笑顔を忘れずにいる宗茂は飄々とした様子でその場所を譲る気配など毛頭見せない。
じたばたと手足や胴でもがいて反抗しようとしてみても長身の宗茂を退かすことは不可能のようだった。

「……いつも以上に強引だな」
「仕方ないだろう、今日は愛を誓う日だからな、恥ずかしがりやの虎に逃げられては鎮西剛勇一の名が廃る」
「日本語喋ってくれ、」

普段から成立しずらい会話が更に噛み合わなくて清正は眉間を押さえた。
この世に生を受け今まで生きてきたが「愛を誓う日」など聞いたこともなかった。

「知らなくとも無理はない、キリシタンの祭りだ」

上に乗ったままの宗茂が清正の銀髪を撫で目を細めて笑った。

宗茂の話を要約すれば、今日は古代の南蛮において違法であった兵士の婚姻を手引きした、キリシタンのバレンティヌスなる人物が処刑された日で、後に彼にあやかって愛を誓う記念日となったと言うことである。

「案外博識なんだな」
「父の主家がキリシタンだったからな」
「大友氏か」

感心し感嘆の息を漏らせば宗茂は苦笑いをして知識の出所を披露した。
風神と称えられた宗茂の父・高橋紹運はキリシタン大名で名高い大友宗麟の家臣であったからその息子がキリシタンの風習に詳しくても違和感は少なかった。

「そういうことだ。……さぁ、愛を語り明かそう」
「俺は仏教徒だ」

頬に手を添えて顔を近づける宗茂に清正は眉間に皺を寄せて苦い顔をしてふいと顔を背ける。
宗茂がキリシタンに造詣が深いとするならば、清正は根っからの日蓮門徒である。
キリシタンではない人間には関係のない日だと清正の反応は冷めたままだった。

「相変わらず生真面目だな。そこも好ましいが、愛を誓う上では多少の柔軟性が必要だ」
「黙れタラシが」

清正の眼光が更に鋭くなった。
どこぞの武将で兜に愛を掲げている者がいたはずだと思いを巡らせる。
その愛は愛染明王の愛であるから宗茂の語る愛とは関係ない。

「たらしとは心外だな俺は好ましいものには全て全力だ」
「全力で浮気とは更にたちが悪いな」

清正の顔がまた渋くなった。

それもそうだ。
別居中の嫁は勿論、(清正が思うには)星の数ほどの人間に老若男女問わず甘い言葉をかける宗茂の姿はたらし他ならない。

「なんだ、ひとりに絞ってほしいなら早くそういえ」
「そんなことはいってない、馬鹿」

嬉しそうにその端正な顔面に満面の笑みを浮かべて宗茂が笑う、自分のいった言葉を今さら理解して恥ずかしくなったのか清正が頬を赤らめて更に視線をずらす。
その仕草に堪らず清正に抱きついて筋肉が発達した首筋に顔を埋める。
男としては長めに切り揃えられた茶色い髪の毛が首筋や頬を掠めればむず痒そうに清正が身を捩った。

「強がるのは損だぞ。この俺が愛をお前だけに誓おうって言ってるんだ」
「傲慢だ」
「嬉しいくせに」

赤くなる清正の耳元に甘く低い声で囁けば強ばっていた体から力が抜けていく。

「愛してる、強がりで素直じゃないお前を」
「馬鹿」

棘があった清正の言葉も、歯の浮くような宗茂の甘い睦言には敵わないようで軒先に垂れた氷柱のようにその鋭利さは解け出していた。
宗茂の抱擁に返答するように清正の武骨な両手の指が柔らかい絹の着物の裾を握った。

「清正、お前の言葉でも聞かせてくれないか?」
「・・・嫌いじゃ、ない」

優しく撫でるように、それでいて有無を言わさない宗茂の言葉に、首筋まで赤く染め、清正が蚊の鳴くような声で呟いた。
恥ずかしさを限界までこらえた必死の言葉に宗茂が声を殺して笑うのがわかったのか、顔を背けていた清正が、視線を笑いをこらえる男に向けられた。

「清正、それは愛してる、って置き換えていいのか?」
「それぐらい自分で判断しろ、馬鹿」

着物の端を掴んでいた腕が広い背中に回された。
全身を奇妙なむずがゆさが襲ったのは、嗅ぎ慣れない上品な白梅の薫りが鼻梁をくすぐったからだけではないだろう。
背中に回した腕に力を込める。

遠くで鶯が鳴いていた。

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空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

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