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殿と左近の生きる道。 -1- (三左)

 
ここここここ今週木曜日ついに!
戦国無双3Z/3猛将伝発売ですね!

\そーですね!/

もう予約しましたか!?

\そーですね!/


ということではしゃいでおりますしいねです。

今日は日柄清正を幸せにする方法を考えてたんですが、清正も三成もみんな生きてる左近と宗茂伝EDからの戦後妄想のはずなのに一向に幸せになってくれなくて・・・・
ううう・・・
どうすればいいのですか左近さん!

\左近の軍略!/

\大筒!/

ってやってみたんですが、大変でした。
でもこれはいつかオフで出したいくらいの長さになりそうです(三清です)


というわけで、
佐和山の幸せを考えてみました。
流れ的には、清正死亡の三成EDです。
左近の軍略今日も冴えて欲しいんですが、なんか、暗いです。
左近オトメンです。
いい年こいたおっさんがオトメンです。

そして、続きます。
つぎで、かんけつ、し・・・ます。
よ。




左近の軍略は続きから




 

**殿と左近の生きる道。 1**




長い乱世に幕が降りた。
負けて待つのは死のみと覚悟してでた佐和山の城の門を主人と二人どちらが欠けることなく出立した格好そのままで帰れたのは喜ばしいことであろう。
布陣は有利ではあったものの下馬評は東の狸のほうが上だった。それでもなんとか持ちこたえたのはまだ若い殿のおかげだと左近は思う。

これで終わりではない。
乱世は終わったかもしれないが、泰平は始まったばかりだ。
先の戦乱で加藤清正など有能な武将が戦死した。

勝利を得た西軍の犠牲も少なくはない。
豊家の当主秀頼もまだ幼く未だ政権は安定しているとは言い切れない。

不安は山積みなのだ。
関ヶ原勝利の立役者と言ってもいい三成は普段の政務以外にも戦後処理の対応を任され激務による激務を重ねていた。


「・・・・・・殿、そろそろ寝たほうがいいんじゃないですか?」

丑の刻を過ぎてもなお高校と灯りの付く三成の部屋の前、閉じられた襖に背をもたれかけさせて左近は戸の向こうの三成に声をかけた。
返事は聞こえないが時折墨をする音や、筆を運ばせる音、衣擦れの音が聞こえるからまだ寝てはいないだろう。

「ねえ、殿、聞いてますか?殿が寝ないと左近が寝られないんですよ」

聞いていないふりをしているのだろうか。
扉の向こうの三成に聞こえるように溜息をつくと扉を開けずにまた言葉を投げつけた。
主人より先に寝るとは何事だ、なんて普段は考えたこともなかったが(戦前はそんなことお構いなしだったのに)このところの激務を思えば心配で眠るに眠れない。

「殿ー、ねえって・・・」
「うるさい」
「やっぱり起きてたんじゃァないですか」

なんども返事のない襖に声を投げかければ焦れた三成が、眉間にシワを、目元に隈を作って仏頂面で顔を出した。
激務と寝不足とストレスとで機嫌はすこぶる悪いというのにこうして左近の声に反応させて顔を出してくれたことだけで心のなかに暖かいものが充満していく。
(俺って案外簡単なやつだったんだなぁ)
なんて苦笑いをしてみれば、不機嫌そうな三成の顔が更に暗くなった。
言葉では出さないけれどもそれよりも雄弁な三成のまっすぐな瞳が「用がないなら出てけ」とばかりに左近に向けられて、床に座していた重い腰を上げて自分より歳若い主人の頬にそおっと手を伸ばした。

「こんなに隈まで作って、いつか倒れますよ」
「倒れればその時だ」
「またそんな事言って」

背の高い左近を見上げるようにして睨むと三成は無言で背を背けると今度は襖を閉めずに部屋の奥の執務机に戻る。
不機嫌そうで誰も寄せ付けない雰囲気を放つ三成の背中と、開け放たれたままの襖を数度見比べて板張りの廊下からまだ新しい緑の畳がはられた部屋に足を伸ばしてゆっくり音を立てずに扉を閉めた。
言葉少ない主人の感情を読むのははじめのうちは苦労したが、言葉少なくとも激情家の三成の瞳や雰囲気は言葉以上に雄弁で今では手に取るように・・・・・・とまではいかないがある程度の感情は読み取れるようになっていた。

「そんなに、過労死しちまいますよ」
「それでも構わん、俺はやることはやった」
「~~~~~~!!!」




「殿!」



夜を切り裂くような左近の声が部屋の中に響く。
無骨な手で線の細い三成の肩を引けば簡単にその体は畳に沈んでいって。

「痛いぞ、左近」
「痛く、しましたから」

仰向けに転がってうつろな瞳で天井を見上げる三成の腹の上に馬乗りになってその胸元をつかんだ。
無礼だとは思ったが、それ以上に感情が抑えきれなかった。
こみ上げる涙を止めることができなくてこぼれ落ちた雫がぽたり、ぽたりと三成の白い胸元を濡らす。

「左近、何で泣く」
「泣かずに入られませんよ、バカ殿」
「・・・・・」

顔をくしゃくしゃにして涙を流して悪態をついてみても、左近を見つめる三成はその涙の意味がわからいのか、長い黒髪を撫でながら無言のままで。
その薄い茶色の瞳は左近を見つめているのだが、ドコかうつろで、その長い黒髪の先の虚無の空間を見ているようだった。
向かい合う瞳に左近が映っているのに、見えていないようなそんな視線。
三成の希薄な生に、生きる、死ぬなと誓ったあの日が遠い昔のようでさらに涙があふれた。

「なんで死んでもいいなんて言うんですか、あんた」
「もう、」
「終わったなんて言うんですか!俺はあんたのために死ななかった!なのにあんたは終わったからって、俺を置いて、左近をひとりにするんですか!」

「さこん」

薄い胸に顔をうずめて泣き出す左近の頭を撫でながら力のない声で三成が名前を呼んだ。
その瞳はぼんやりと天井を見つめたまま。

「俺は失いすぎたのだ。俺が・・・西軍が勝てば、前のとおりに戻ると思った、壊れた家も、別れたアイツらとの絆も。でも、壊れたものは・・・失ったものは、戻らない」

ぽつり、ぽつり、三成の感情のない声が言葉を発する。
左近の黒髪を指で梳くその手が力なく震えていた。
自らの手で引導を渡した大鎌を持った男のことを思っているのだろう。
秀吉の配下にいた頃からすでに仲は良好とはいえなかったが、ともに豊家を支えるという連帯感があり左近がやすやすと入れる間柄ではなかったのは未だに覚えている。
太閤の死後袂を分かったとはいえどその存在は大きい物だったのだろう。

それを亡くしたのだから・・・・
心に穴があいてもおかしくない。

そう分かっているのに、だから、生きる意欲がなくなるのも分かっているのに。
理解はできても、それを受け入れることはできない。

「多くのものを失ったかもしれませんよ、でも」

涙と鼻水でベタベタの顔をあげて三成の顔を覗き込む。
左近を通り越して彼岸を見つめるような瞳がまたどうしようもなく胸を締め付けるけれど、それでも左近は三成の瞳を見つめた。
真っ赤に泣きはらした瞳で。


「左近がいるじゃないですか」


涙と鼻水が乾きだして肌がカピカピに固まりだす。
無理に頬を釣り上げて笑えば皮膚がひきつってピリっとした痛みが走った。
それでも、左近は笑顔で三成を見る。

「殿が、左近を、俺が必要だっていうから・・・死なずに殿のおそばにいるのに」
「・・・・・・」

「との、左近を見てください、ねえ」

笑顔でいようとするのに涙が頬を伝う。
朦朧とする瞳に写った自分が歪んだ。

「殿がいなくなったら、左近は、どうすれば・・・ねえ、殿」
「さ、こん」

「こんなにも、さこんはとののことがすきなのに・・・なんで、置いて行くなんて、言うんですか、ねえ、殿・・・」

幼子のように声を上げて三成の腹の上で泣いている左近の涙がぽたりぽたりと呆けたままの三成の顔に落ちて行く。
左近、と相変わらず力のない声で三成は名前を呼ぶだけで、辛さのあまり左近は自分を映さない三成を見ていたくなくてその瞳を両手で覆う。

「すまん。左近」

がさ、と衣擦れの音がした。
それとともに優しい声が耳に入る。

「泣くな、左近・・・俺はお前の涙に弱いのだよ」

そっと氷のように冷たい手のひらが、ヒゲの整えられていない左近の頬に触れた。
あまりの冷たさに、息を飲み込んでまぶたを覆う手のひらをどければ眉を下げて左近と同じように泣きそうな評定をした三成の整った顔が目の前に現れた。

「との」
「どうした左近」

「・・・きれいな顔が、台無しですよ」

栗色の瞳がまっすぐ左近を見つめている。
久々に三成と視線が合わさったような気がして漸く息ができたような気がした。
ちゃらけたセリフをつぶやけば、また涙が溢れ出して、困ったように「左近」と名前を呼ぶ三成の方に抱きついて、その細い体に顔を埋めた。










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空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
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