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みがわりのこい(虎不)

 虎不って!


いいよね!!




ってついったで盛り上がったので自給自足。

本当は
虎→豪鬼←不
なんだけど、相手にしてもらえなくってお互いをお互い身代わりにしてたんだけどいろいろセクロスしてたら「あ、可愛いな」とか「こいつ、こういう顔もするんだ」ってなって恋に落ちちゃうそんな虎不萌えるんです!
エロかけないからね、途中からなんだよ!




つづきで本文





 


**みがわりのこい**






「好きです!つきあってください!!」



練習の帰りに前を歩く男にそう告げた。
モヒカン頭の不動は振り返って虎丸を見るとちょっと驚いて目を丸くしたあと「何寝ぼけてんだ、豪炎寺はもういいのかよ、バーカ」と軽い口調でいつものように悪態を付いた。
「ご、ごうえんじさんは・・・・」虎丸が弁解をしようと口を開いたときにはひねくれ者の彼はもう住宅街の何処かへ消えてしまっていた。
言いかけた言葉と、相手と繋がりたいと差し出した右手はむなしく夕暮れの空にとけていく。

「待ってください、不動さん!!!」

街並みに消えていった相手を必死に追いかける。
追いかけて追いかけて捕まえて、遅くなってしまったあの言葉を、伝えたかった。









虎丸と不動の出会いは最悪だった。
今もまだなんで彼と「そういった」関係になったのかがよく思い出せない。
虎丸にも不動にも同じように好きな人がいて、でもその好きな人には恋人がいた。
ただ二人の立場が似ていたからかもしれない、と思う。



『どっちにしろ相手にされねーんだったらそーゆう鬱憤はお互いに腹しちまったほーが身のためだぜ』

まだ自慰の『じ』の字すら知らない虎丸に射精の気持ちよさを教えたのは不動だった。
『まだぼーやにはママのおっぱいがお似合いだな』と笑われながらも二人で隠れてお互いの性器を握り合った。
たいてい握り合いっこをするのは好きな人が、自分ではない恋人と楽しそうに笑い合っているのを見ている時だった。
いくら必殺技のパートナーだとしても見ることのできない表情に嫉妬と、『なんで自分ではないんだ』という悔しさが浮かび上がった。

握りしめた不動の性器を好きな人のものだと目をつぶって思い込み自分の性器を握りしめている指が大好きなあの人だと思うようにした。
だからなのか、薄暗いロッカールームの端っこでお互いを握り合っているとき、虎丸も不動も絶対に声を挙げなかった。他の人間に見つかりたくはない、という気持ちよりお互いにお互いの好きな人を演じきるために、一切の声を出したくなかった。
そうすればこの不毛な思いも、おかしな行為も肯定されるような気がしたのだ。



『入れたくないのか?』

そう切り出したのもまた不動だった。
お互いの握り合いっ子に慣れて、飽きが出始めた頃に、出し終えた精液を拭う虎丸にいつもの馬鹿にしたような顔で言い出した。
『・・・・・・今のままでいいです』
『そう、か』
ためらうように間を開けて断りを入れたあと、ちょっと寂しそうに笑った不動が見えた気がしたが、そんなことはあるはず無い、と思いその表情を虎丸を打ち消した。
『鬼道さんに入れたいから、抜きっ子だけっていったのはあなたですよ』
『それもそーだ、俺の貞操は鬼道ちゃんに、お前の貞操は豪炎寺に、ってな』
はじめの頃に交わした約束を持ち出せば不動もいつものから買うような口調に戻っていて。
強がりのタテマエでかくした本音が言えなくなっていた。

握り合いをしているとき、薄目を開けて覗いたことがあった。うつむいた顔にかかるまつげが長いこと、真っ白の陶磁器のような肌、いく時に何かに耐えるように唇を噛み締める姿。
そんな不動の姿を見て心が踊った。
いつしか握り合っている時も眼を閉じて豪炎寺を想像することはなくなり、目の前の不動の痴態で射精していた。
だから、繋がりたくなかった。
このままの関係でいたかった。



(入れてしまったら、繋がってしまったら、もうあなたを好きになるしかないから)








絶対に届かない初恋の人を取るか、目の前にいてからだからそのまま好きになってしまった人を取るか。
幼い虎丸には難しい選択だった。
ここで豪炎寺を選択すれば一生報われない人生を送ることになる。
でも、反対に不動を選べば豪炎寺が好きだったことが嘘になるような気がした。


「大丈夫よ、だって虎丸くんが初恋の人のこと好きだったって、その人は知ってるんでしょ?」

と豪炎寺と不動を思う気持ちをため息を突きながら考えていたときに乃々美が店のカウンターの上に顔を乗せながらつぶやいた。

「そんな簡単に割り切れないよ!」
「そう?だって虎丸くん最近は初恋の人じゃなくって、いつも一緒にいるこのこと考えてるんでしょ?」
「そうだけど・・・・」

年上の経験豊富な発言に虎丸の威勢がドンドンとなくなっていって最後には子どもらしい幼い表情になって口を尖らせている。

「でもすごい好きだったんだよー」
「ふふふ、虎丸くんったら子供ね。初恋は実らないで初恋の方が綺麗なの、もーわたしより若いんだからそんなグチグチしてないで!!」
でもー、でもーと煮え切らない虎丸の尻をたたくように、乃々美は「今度連れてきてね、お弁当おまけしちゃうから!!」と笑顔で虎丸を送り出した。



グラウンドまでの道のり、それから練習中、ずっと虎丸は乃々美の言葉を頭の中で反芻していた。

(誰のことを考えてるって・・・・・最近は・・・・)
(誰と一緒にいるとか・・・・)
(誰と一番一緒にいたら楽しいかなんて・・・)

そう順番に考えていけば、当てはまる相手は一人しかいなかった。

(豪炎寺さんは憧れなんだ。オレのあこがれで、目指しているもので・・・・だから好きな人、とはちょっと違う。オレが豪炎寺さんを欲しいんじゃなくってオレが豪炎寺さんになりたいんだ。)


「だからこれは、恋じゃないんだ!やっぱり、ずっと一緒に痛くて、触りたくて、抱きしめたいのは!!!」


練習が終わって早々に帰り仕度を始めた不動の元へと急ぐ。
「一緒に帰っていいですか?」
「構わねーけど、シたいのか?」
「いえ、不動さんに言いたいことがあって」
「・・・・・へえ」
少し背の高い不動をしたから見上げるようにして笑って見せれば、不動はそっと頬を赤くしてそっぽを向く。

影が道路に伸びていく中ふたりで歩く。
すたすたと早足の不動が虎丸よりも先に進んでいた。

「不動さん!」

名前を呼んだ。一日考え抜いたこたえを吐き出すべく大きく息を吸った。「どーした?」と振り返った顔が夕日に照らされてすごく綺麗で、やっぱりこの人の事が好きなんだ、と思った。
初恋なんか、思い出にできるほど。




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日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

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