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罪と罰(ふでも)

 ふでもmogmog

最近ここの欄に何書けばいいかわかんない。
でもここにドバーってのせるの無理なんですよ・・・・・



チキン野郎って罵ってください・・・・






つづきで本文







**罪と罰**



 
「デモーニオ、ここがどこかわかる?」


デモーニオの手を引いてフィディオは町を抜ける。
行き着いた先、焼けるような日差しと微かにかおる汐の匂いに光の明暗しかわからないデモーニオにもそこがどこかわかった。

「……海?」
「正解!あっちにシチリアが見えるんだ」

繋いだ手のひらをまっすぐ前に差し出してフィディオは真っ青な海に浮かぶ島をデモーニオにもわかるように指し示す。

「ちょうど目の前なんだ。海が青くキラキラして宝石みたい。デモーニオの目にそっくり」
「フィディオ?」

声の音と気配が近づいてデモーニオは驚きの声をあげて後ずさる。
フィディオの接触の多いコミュニケーションにデモーニオは少しの不安を覚えてしまう。
視界が優れないため視覚以外の感覚に頼るしかないデモーニオにとって突然に触れられることで指先から電流が走ったような感覚を覚え、驚きの表情を浮かべてしまう。

それに盲目の少年を介助する国民的スターはどこにいても目立つようで好奇の視線ならまだしも、羨望や嫉妬憎悪といった負の感情がデモーニオの心にじくじくと突き刺さった。

「緑に近い綺麗な青。はやく君にも見せてあげたいよ」

優しく頬をつつむフィディオに肩をびくりと痙攣させてデモーニオは固まった。

視力は手術すれば治ると言われた。
しかしデモーニオにはする金もなかった。

だがそれ以上に手術を受けたくない理由がデモーニオの心のなかにあった。

「一生見えないままだから関係ない」

そっぽを向いて拳を握りしめる。

代表の座を奪われかけ、盲目の自分と歩くことで好奇の目を向けられても気にせずに接してくれるこの男に対するせめてもの償いだった。
影山の陰謀とはいえ、彼に加担し、イタリア代表を惨事に見舞わせた罰は重い。
それをわすれないためにも自分は盲目のままでなくてはいけないような気がした。

「何でなんだい?」

お金?と問うフィディオにゆっくりと頷いた。
目の前の男のまとう気配が悲しみの色に変わる。

「そんなの…俺が出すのに」
「嫌だ」
「何で?」

肩からゆっくりと背中へ回されようとした腕を振り払い、デモーニオは一歩後ずさる。
それでも力強いフィディオの手に腕を掴まれ逃げることは出来なかった。

「何年かかっても払いおわれない」

こんな子供が稼ぐ金額などたかが知れているだろう。
一生かかっても払いきれない借金はいつか二人の重荷になるだろう。

だからそれならば目が見えないままでよかった。
罪を背負ったまま一生罰を受けて過ごせばいい。


「そんな」

フィディオの息を飲む音が浜辺の喧騒のなか、しっかりとデモーニオの耳に入ってきて。

「そんなことは、むり、だ」

つぶやいた言葉は抱きすくめたフィディオの胸の中に飲み込まれて消えた。

「君だけが苦しむ必要はないんだ、デモーニオ」
「それでも、だ・・・・・・こうしてくれるだけで十分だから」

胸に指を立てて服を掴む。
どんなに優しくされても、この罪だけは消せなかった。

抱きしめる腕に安堵を感じながらも、さらなる罪を犯している。
そんな気がした。

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空知椎音です。
日記という名の萌がたり・妄想垂れ流し、アニメリアタイ実況、マンガ感想などはだいたいツイッターで垂れ流しています。
こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

支部にも同時にUPしています。
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現在視聴中(ツイッターリアタイ実況)のものは匿名、単車魔法使いです。
アニメ見れてないなあ・・・

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