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刻のたびびと 2nd(G無双設定:アムコウ)


FG&UC一番くじを4回引いて、4回ともシャア関連の景品だったしいねです(笑)



こんばんわ、誰が得するのかわからないアムロ×コウ第2弾です。


何故かアスランさんが出ていますが、
それは何故か私がコウを使うとなぜか一緒にいるからです。
よく味方に一緒になります。

何なんですかね。



というわけで、
第2話です。
第4話からじゃっかんえろぬになりそうです



続きで本文


 
誉められたい。
喜ばれたい。

コウの根底にあるのはそんなことばかりだ。
「よくやったな、コウ」優しいあの声を自分に向けてほしかった。



「何をするッ!どけーーーー!!!」

ビームサーベルを引き抜く。
軽く凪ぎ払えば厚い相手のMSの装甲がひしゃげて二つに割れた。

こんなもんだ、自分だってやればできるんだ。
もう不要なんて言わせない。


撃墜数は300を越えた。
被弾はしたが致命傷になるものはない。
(ボクだってパイロットなんだ!)
ビームサーベルからライフルに持ちかえる。
燃料残が心配ではあったが制圧すべき拠点もあとわずかだ。

「コウ・ウラキ少尉吶喊します!」
「ま…まて!そこは!…援護するッ!」

残りの要塞に単機で突入する。
ざらついた通信の向こうでアスランが叫ぶのが聞こえたが構わずトリガーを引きながら走り抜ける。

モニターを見ればインフィニティットジャスティスの赤い機体がビームライフルを構えた姿がバックカメラに写っていた。
ちらりとその映像を確認すると突進するスピードをおさえアスランが並ぶのを待った。

「頼むッ!」
「はいッ!」






**刻のたびびと 2nd**






アムロがGP-01フルバーニアン――コウの搭乗機が中破したと聞いたのは敵の本拠地を落としたときだった。
片足を失いアスランのインフィニティットジャスティスに抱えられたGP-01が目視出来たときにミノフスキー粒子の妨害によりざらついた通信がνガンダムにもようやくとどいていた。

「……ッ!コウはッ?!」
「意識は無いようですが生存しています。単機で突入して……俺がしっかり援護していれば」
「…そう、か…」

動力が切れたのかびくりとも動かない機体にアムロの胸がざわつく。
アスランからの通話によればコウは致命傷があるわけではなく敵MSとの追突の衝撃によるショックで意識を失っているだけらしかった。
インフィニティットジャスティスのコックピットにうつされたコウは目立った外傷も心拍数、呼吸の異常も見られないということだ。
自分の支援不足を悔いるアスランに「両機無事なんだ…自分を責めるな」と告げてみても、心の中ではコウを不安定にさせた自分を責めていた。

コウは自分の能力にコンプレックスを懐いていることはアムロにも直ぐにわかった。
そのせいで単機で突入し周りの足を引っ張らないようにと奮闘していることも。

「まわりは君が思っている以上に君を頼っているんだ」

だから、一人でがむしゃらになりすぎるな。
そう言いたかった。
それなのに「不要ってことですか!」と言い捨てられた言葉。
自分の足りない言葉がコウを追い詰めていたのだろうか。

「アムロ大尉…」
「すまない、アスラン」
「いえ…大尉が謝ることでは」

本拠地の格納庫に漸く辿り着けばコウを背負うアスランが眉間に皺を寄せ泣きそうな顔をしてあらわれた。
白いノーマルスーツには欠損も出血も見られない。
血の気の青白い頬ではあるが、時折呻くような呼吸音が聞こえてきてひとつアムロの心配をひとつ消し去る。

「君はコウの機体を頼む」
「はい」
「軍医がヒイロたちについていったから俺が面倒を見よう」
「お願いします」

まだ無重力空間である格納庫では気絶した男を運ぶのは1Gのなかで書類を運ぶほどに容易い事だ。
空いている腕で敬礼するアスランの背中からぐったりとした体のコウを受け取ったアムロはその背中と膝裏に腕を入れて決して細くはない青年兵士の体を抱き上げた。



ジオン公国建国から断続的に続くスペースノイドとアースノイドの確執からうまれたいさかいに十数年にわたり身を投じ続けているアムロだが、突然の死を嘆き悼むことはあれど、ここまで強烈に――ひとつの執着のように誰かの生を祈り願うことは今までなかったかのように思う。
仲間を死なせない、そういう思いは各所でエースを担うアムロにはついてまわる感情だ。
しかしここまで、個人に執着するのは、ライバルとも言えるシャア・アズナブル以外にははじめての感情だった。

「君を喪失うわけにはいかない」

腕を伝わって感じることのできるコウのたしかな鼓動のリズムにぽつりと言葉が漏れる。
ぐったりとした体を抱き自室に繋がる廊下を進む。

この執着はなんだろうか。
まずアムロ自身が執着を覚えるのが珍しい、と自ら分析を加える。

自分が必ず阻止すべき男に感じるものとは違う暖かな執着心。
守りたい、優しくしたい甘やかしたい。

三十路に近づいているアムロだ。
人並みに交際経験もある。
しかしそこで生まれたのは、男女間の惰性と馴れ合いだった。
心や体が離れていっても気にしなかった、いや、気にならなかった。

「結婚はいいぞ。そろそろ身を固めたらどうだ」と早々に家庭をもった腐れ縁の男に何度も言われるがピンとこなかった。
独り身の方が気も心も身軽だから特定のパートナーをつくる必要性を見いだせない。

それを、そんな信条をこの腕のなかの男が崩していく。
無垢でまだ未熟なパイロットである。
兎に角自分の目につくところにおいておきたい、あの真っ白な機体に傷などつけさせたくない(機体の傷は彼への傷と同等だ)。
同じ空間を共有したい。

(この感情は…何なんだ…ララア、教えてくれ)
アムロの心を理解した一人の少女に問いかける。
問いかけたところでもうその彼女はいないのだから答えは帰ってくるはずもなく、肩に込めた力が口内に伝わりギリと奥歯を鳴らした。



「…ぅん、」

腕の中のコウが小さく身じろぐが切り揃えられた前髪の向こうの短い睫毛が揺れるだけで、その奥の黒い瞳はまだ見えない。
トクントクン、と規則正しく拍動する心臓のおとが腕を伝わってアムロの体に響く。
触れあった部分から融け合っていくような感覚にアムロの心臓が跳ねた。

「ぅ…ん、…ア…ムロ大尉?」
「気分はどうだ?」
「ふぇ?」

一際大きな呻きをのせた吐息が漏れればゆっくりと閉じられた瞼が開かれる。
ぼんやりとまだ夢と現実の狭間をさ迷ったままの黒い瞳を覗きこみ、ようやく交わされた言葉に安堵のため息をつく。
すぐにでも背中が軋むほど抱き締めてしまいたい衝動に駆られるのをどうにか押さえてアムロはかかえる腕と心を震わせた。
焦点のあった瞳は驚きで丸く見開かれている。

「痛みはないか?」
「え?…は、はい……な、何で大尉が?」
「そうか。外傷も無いようだから部屋で休むといい」

まだ状況が掴めていないのか大人しく腕のなかに収まり口をパクパクと開閉させているコウに向かってアムロは目を細めて微笑みかける。
体の奥底から暖かな奔流が込み上げる。

「あまり心配をかけてくれるな」

ああ、この感情は。
理性でもおさえきれない思いに身を屈めてその薄い唇にゆっくりと口づけを施した。


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こちらは完全に小説置き場になっていますので、日常日記はほぼありません。

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